アンダーテール 雪原 ページ4
遺跡の扉を開けると眩い雪は目を、強烈な冷気は肌を刺した。吐息は身体をでた途端に凍り、キラキラと霧散する。いくらなんでも、遺跡との温度差がひどすぎる。
思わず振り返っても遺跡はもう閉ざされてしまっている。
「ここを出たら、もう戻れません。」
ママの言葉が頭をよぎる。暖かい、もふもふの毛皮の感触が、温もりが蘇る。
さて、このまま感傷に浸っていては冷えるばかりだ。ママと戦ってまでここに来たのだ。
進まなくては。
ザクッザクッ
雪を踏みしめて前に進む。途中、横たわっている枝を跨いだ。
ザクッザクッ、、、バキッ
突然、背後から大きな音がした。ハッと振り返る。誰もいない。
しかし、枝が折れている。さっき跨いだ枝だ。
ゾッと背筋が凍る。それでも自らを奮い立たせて足を進めた。
やがて、木でできた大きな門と小さな橋が見えた。その時、背後から誰かやってきた。
「おい。ニンゲン。初めて会うのに挨拶もなしか？こっちを向いて握手しろ。」
恐る恐る振り返り差し出された手を取った。途端に凄い音が手の中から聞こえてきた。
続いて笑い声。
「引っかかったな。手にブーブークッションを仕掛けといたんだ。お約束のギャグだよ。それはそうと、アンタ、ニンゲンだろ？はは。ウケるな。」
青いパーカーにラフなズボンを履いたスケルトンが面白そうに言った。
悪い人では無さそうだ。フッと肩の力が抜けた。
「オイラは、サンズ。見ての通りスケルトンさ。ニンゲンが来ないかここで見張ってろって言われてんだ。」
その言葉に再び不安が首をもたげる。
「っつっても，，，オイラ的にはニンゲン捕まえるとかどーでもいいけどな。」
あ、こいつ結構適当な奴だ。ほっと息をついた。
「でも弟のパピルスは、、、筋金入りのニンゲンハンターだぜ。」
さっきから調子が崩れるのは、この、のらっくらした
「あ、噂をすればパピルスが来たっぽいな。そうだ､､､とりあえずそのゲートっぽいのをくぐれよ。普通に通れるだろ?パピルスが作ったんだけどさ、意味ないよな。」
確かに、通っても何も起こらない。いったい何のためのゲートなのか?
「Hey bro. ん？ソイツはニンゲンか?へへへへ，，，笑えるな。」
ちょうどゲートをくぐった時、向かい側から少年が一人歩いてきた。サンズとおそろいの青いパーカーに、真っ赤なスカーフを巻いている。
エメラルドの瞳が白いキャップの影から可笑しそうにのぞいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れもん - おぉ…久しぶりに見たけれどめっちゃ進んでる…良いんじゃないかな？頑張れよ〜！！ (2023年4月29日 21時) (
レス) @page22 id: 2e0a4c58c5 (このIDを非表示/違反報告)
奏 和歌(プロフ) - もちろんですともさ！ (2022年9月23日 22時) (レス) id: 21b519c0d9 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 和歌ー、改めて見たよー、これからが期待ですな( ・∇・) 僕のオリキャラの氷ちゃん達をよろしくね〜 (2022年9月18日 20時) (レス) id: 4d12249e4c (このIDを非表示/違反報告)
奏 和歌(プロフ) - コメントありがとうございます。読んでもらえて嬉しいです。貴方の作品でおすすめをぜひ教えてください。 (2022年7月11日 21時) (レス) id: 21b519c0d9 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - ぜひ私の小説も読んで下さい。 (2022年7月11日 20時) (レス) @page6 id: a12c18bd9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏 和歌 | 作成日時：2022年7月7日 19時
