6.無責任 ページ7
「あ、阿伏兎。会議はめんどくさいから阿伏兎がでといてよ。」
めんどくさいという理由で会議をサボる団長とはいかに…。これは阿伏兎さん、日頃から苦労しているのだろうな。
「おい、団長。今日は鬼兵隊との合同会議だろ?あっちの総督も来るわけだし…」
「鬼兵隊?まさか、高杉晋助…?」
「うん。そっか、地球じゃ有名人なんだっけ?」
有名などというレベルではない。大犯罪者であり、真選組が特に危険視している過激派集攘夷団である。
鬼兵隊の高杉晋助が同じ船に乗り込んでいるとは、これまた最悪のタイミングだ。しかし裏を返せば、高杉晋助を倒す機会が出来たともいえるのでは…。いや、危険だ。私ひとりで倒せるようなやつならば、今まで真選組が捕まえるために苦労などしていない。
今私が真選組のためにできることは、少しでも鬼兵隊や春雨の情報を持ち帰ることだろう。
「でも、晋助にあったってどうせ戦えないだろうし。俺は今日でないよ。」
「はぁ。じゃあ俺がでとくから、資料とか片付けといてくれよ。」
「はーい」
そういい去っていく阿伏兎さん。
しかし、きっと神威さんは資料を片付けなどしないであろう。
…敵ながら、なんか阿伏兎さんが可哀想になってきた。
「あ、君。えーと、Aっていったっけ?どうせ暇でしょ?資料片付けといてよ。」
「え。春雨のですか?」
どうせ暇とは心外な。確かに、ここで私ができることは特に無いため、暇ではある。
しかし、だ。今日突然入ってきた部外者に、自分の組織の資料整理を任せるのはどうかと思う。
神威さんは私を雑用係として攫ったのだろうか。私は真選組でも、沖田さんの残した机仕事や、彼が書かなければならないはずの始末書ですら片付けていた。
しかし、それを知っていて攫ったのだとしたら……いや、怖すぎるな。
ともかく、ここで下手に逆らって宇宙空間に放り出されるなんて冗談じゃない。大人しく従っておくのが得策だ。
「暇なのは本当ですし、いいんですけど…。阿伏兎さんに怒られません?」
「バレなきゃ大丈夫だよ。」
…もう、何も突っ込まないでおこう。
こうして私の春雨生活一日目は資料整理で終わった。
結局、私に任せたことがバレた神威さんは阿伏兎さんに怒られたらしい。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時