4.血 ページ5
乱れまくった空気を直すため、再び彼の方に姿勢よく向き直る。
「助けてくれたことには感謝します。でも、申し訳ないのですが、私は海賊になることはできません。そもそも、なぜ私なんかを誘拐したのですか?」
私が一番気になっていたことを質問する。
…返答によっては、きっとコイツを斬らなければならない。
ふと、隅に立てかけてある愛刀を見やる。
「いやぁ、俺さ、あの戦い上から見てたんだけどね。君だけ、他のヤツらとは違う何かを感じたんだよね。そう、
____まるで…血を求める獣のような。」
そっと目を開いた、コイツから感じる『殺気』。
その姿に思わず冷や汗をかく。
私は、怖気付いたことを隠すように、普通の調子を装った。
「…どちらかといえば、血を求めているのは貴方の方なんじゃないですか?」
そう問いかけると、彼は再びニコニコとした表情に戻り、話しだす。
「いやぁ、実はさっきから君と戦いたくてうずうずしちゃってさ。でも手負い相手に攻撃しかけるなんてことはしたくないし、今日は諦めてあげるよ。」
思わず「命拾いした」なんて思ってしまったのも、コイツから感じる得体の知れない何かのせいだろう。
しかし、瞼の後ろから見えた綺麗な青い瞳。これでは本当に神楽ちゃんみたいではないか。
すると、まるで私の心を読み取ったかのように、
「あ、それと。さっき君がいってた『神楽』ってやつの事だけど、一応、俺の妹だよ。」
平然とした表情で、私にとっての衝撃な事実を淡々と話す。
え、神楽ちゃんお兄さんいたの…?貴方とは雰囲気が違ってだいぶ怖いんだけど。ていうか、一応って。まぁ、話し方的に仲は良好ではなさそうだけど…。
すると、彼は変わらぬ調子で再び衝撃的な発言をした。
「まぁ、海賊になるにせよならないにせよ、次地球に行くのは一週間後くらいだから、しばらくは俺たちと生活してもらうことになるんだけどね。」
「え、はぁ!?」
そんなこんなで、この海賊との一週間がはじまるのだった。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時