18.夜襲 ページ23
しばらく神威さんと、ボケ、ツッコミのリズムで会話をする。
ここに来てから三日だが、やたらと突っ込むことが多くなった気がする。
真選組では、沖田さんや近藤さんのボケを土方さんや山崎さんがすかさず拾うため、私はその会話をボーッと聞いている、ということが多かった。
しかし、ここでは阿伏兎さんがいない限り、基本的に神威さんと一対一なのだ。
すると必然的に私がツッコミに回る。
……はぁ、ここにきて、なんてどうでもいいことを極めてしまったのだろうか…。
真選組に負けず劣らずの勢いで会話をしていると、ふとなにか気配を感じ、互いに口を閉じる。
夜の静けさの中に聞こえる、複数の足音。
「やっと敵さんのお出ましみたいだね。」
「できれば来て欲しくなかったですけど…。」
いくら戦い好きとは言えど、今日くらいは本当に休みたかった。
ただでさえ慣れない環境で生活して疲れているというのに…。まぁ、自分でフラグを立ててしまった感も否めないが、まさか本当にまた攻め込んでくるなんて思わないだろう。
なんだ、ここ周辺のやつらは奇襲が好きなのか?思考回路が一緒なのか?
…といっても、私達もこの星に奇襲をかけているので、人のことを言えない訳だが。
「ま、夜に襲おうとしてくるくらいだから、自分が弱いことをしっかりと自覚してるんだ。」
「でも、弱いやつに用はないんでしょう?」
「うん。あれ、もしかしてA。俺に似てきた?」
「まさか。さっさと殺りますよ。」
ゆっくりと、鞘から刀を引き抜いた。
そして、私は刀を___逆手に持つ。
もし私が本当に夜兎なのならば、神楽ちゃんや第七師団を見る辺り、素手での戦闘の方が向いているのであろう。
それなら、血に忠実に、私も拳で戦ってやろうじゃないか。
でも、生まれた頃から剣士として生きてきた私は、さすがに刀を捨てることなんてできない。刀は武士の魂である。
ならば、"2つを織り交ぜて戦えばいい"
刀と共に生きてきた夜兎族の私だけが成せる技。
見せてやろうじゃないか。
「じゃあ早速、私の実験台になってもらいましょうか?クソ天人ども」
その言葉と共に、飛び出した。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時