彼と過ごした一週間【銀魂】

14.隊服 ページ19

あの後、特に何事もなく部屋で一日を終えた。
数時間前に鳴り響いた轟音が嘘だったかのように艦内は静かになり、再び騒がしくなることはなかった。恐るべし夜兎族。


部屋で一日、といっても、もちろん部屋に戻れば机の上に資料が置いてあったので、それを片付ける、ということをしていたのだが。



＿＿＿そして翌朝。ここにきてやっと3日目である。一日の内容が濃い為か、ここまで来るのに非常に長く感じた。このペースでは、真選組のみんなに会うのも想像以上に先になるだろう…。感覚的に。


そして、だ。昨日は結局チャイナ服のまま過ごしてしまったが、今日は隊服を着ることができるのだ。


一日ぶりに袖を通す隊服。着るだけで真選組が懐かしい感じさえしてくるわけで…。



何度目かの追想をしていると、ガチャ、とドアノブを捻った音がする。
ノックしろよ、と思いつつもきっと神威さんだろうと半ば諦め、急いで首元のスカーフを締める。


「A！やっぱり、生きてたんだね。まぁ、あの程度で死なれちゃ困るけど。」


案の定、神威さんだった。
というか、さりげなくひどいことを言ってくるな。私とて、伊達に真選組にいる訳ではないのだ。といっても、真選組を理解しえない彼に言っても仕方ないのだが。


「そういえば、今日はそっちの服なんだ。」


なぜ、チャイナ服を着ないのか、ということだろう。確かにこの服はここでは目立つかもしれないが、やっぱり大切なものだ。ここに放置して置けない。
それに、チャイナ服は少し恥ずかしいというか…。

あの服を毎日平然と着ている神楽ちゃんを尊敬する。


「ええ。真選組隊士、ですから。」


「ふーん。真面目だね。やっぱり、入ってくれる気は無いんだ。でも、ここの方が君だって好き勝手暴れるだろ？」


神威さんは、分かっているのだろうか。私が同族かもしれないのだと。それとも、カマをかけているのか。
どちらにせよ、私の答えはただ1つ、である。


「私は、真選組を裏切るつもりはありません。」

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