番外編.毒舌の公認(前編) ページ17
私は、基本的にどんなものでも食べる。好き嫌いがない。武州のころも「なんでも食べて偉いね」なんて言われていた。
しかし、だ。私にはどうしても一つ、許せないものがある。
それは「マヨネーズ」だ。
そして、それを食べる人も理解できない。もちろん、土方十四郎のことである。
昼食時、私はいつも彼の近くに座らないようにしている。なぜなら彼は、どんな食べ物にでもアレをかけるからだ。そんなのの近くにいては、昼食が食えたものではない。
私はいつも昼食の時間が遅いので、食堂に行くと先に副長が席に座っている状態だ。だから、その席に近づかなければいい。
できるだけアレを視界にも入れたくないし、匂いなんて嗅ぎたくもないので、いつも一番遠い席に座る。
副長を避けているみたいだが仕方ない。あんなもんを食べるから悪いのである。
___しかし、その日だけは私の仕事が早く終わり、副長よりも先に食堂へ来てしまったのである。まぁ、別に副長よりも先に来てしまったところで、早く食べて早く帰ればいい。そう思ったのが間違いだったのだ。
「おぉ、Aじゃねェか。そういやお前、いつも昼どこで食ってんだ?」
正面で、ガタン、とお盆を置く音がする。
来 や が っ た 。
お前を避けてんだよ、ともいえず、その席を去ることもできず、渋々そのままの席で食べることに。
「A、どうした?そんな俯いて。体調でも悪いのか?」
「…いえ、お気になさらず。」
いやお前だよ。お前の食ってるもののせいだよ。
私は昔から、副長の食べるマヨ丼こと犬の餌を嫌がる素振りを見せていた。でもそれは、みんな一般程度のいやがりだと思っていたのである。
そんなわけが無い。我慢しているに決まってる。
「なァ土方さん。ちょいとそのマヨネーズ、貸してくれやせんか?美味しくなる魔法の液体見つけたんでさァ。」
と、そこへ、謎の瓶を持った沖田さんが現れる。
マヨネーズをひったくった彼は、赤い蓋を外し、謎の液体をマヨネーズの中へと入れようとする。
「おい!何しやがんだ!マヨネーズが可哀想だろ!!」
「美味しくなるっていってんでィ。素直によこせや腐れ副長。」
なんと目の前で、蓋が外れたままのマヨネーズを取り合い始めたのである。
危機を感じた私は移動しようと席を立つ。
すると、手前から聞こえた、ブチュ、という音とともに、何か頭に冷たい感触が。
「「あ」」
___私の中で、何かが切れた音がした。
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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
飽(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飽 | 作成日時:2019年8月11日 18時