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9.資料室 ページ12

しばらく廊下を歩いてみると『資料室』と書かれた部屋を見つけた。かれこれ数十分は歩いていた気がする。この広いであろう船の中で、数十分歩いただけで資料室を見つけることが出来たのは、時間的にはマシな方なのだろうが。


試しにドアノブを捻ってみる。すると予想に反し、扉はあっさりと開いたのだ。鍵穴はあるため、鍵のかけ忘れだろうか。このチャンスを逃す手はない、と部屋へ入る。


そこには、何座だろうか。数えられないほどの山があった。もちろん、紙束である。


私が求めるのは、鬼兵隊について書かれた資料である。第七師団と鬼兵隊が協力関係である以上、何かしらの資料はあるのではないかと思う。

鬼兵隊と取引内容はもちろんのこと、鬼兵隊が地球に滞在する日程、または宇宙での合流ルートの情報などがあれば嬉しいのだが。この中から探し出すのは骨が折れる…。


試しに、近くにあった資料を手に取り読んでみる。

それは『夜兎族について』という見出しのものだった。

…そういえば、神楽ちゃんが『夜兎族』ということは聞いていたが、実際夜兎族がどのようなものなのかは知らなかった。

興味本位で、その資料を眺める。そこに書かれていたことは、私の今までの疑念を全て取り払うようなものだった。
要約すると以下のようになる。



____________

夜兎族の特徴
・透き通るような白い肌
・怪力
・日光に弱い
・傷の治りが早い
____________



当然、あれ?となる訳だ。地球生まれ地球育ちの私が、まさか、と。
今まで、自分は化け物だ、病気だ、周りと同じ人間なはずなのに、と悩み、恐怖していた日々は一体…。


神楽ちゃんが私が会うとき常に傘をさしていたのは、日焼けを気にする年頃だからなのだと思っていた。肌が白いのも、このような日焼け対策を万全にしているのだと。




____私は、物心付いたころにはもう当たり前のように武州で"近藤さん"たちと生活していた。


なんの変哲もなく幼児期を終え、"総悟君"と共に丸太(木の皮)を振るっていたのである。


後輩の"土方"が、定食屋でご飯に『あんなもの』をかけていたときは暴走して終兄さんにとめられた、なんてこともあった。


もし、私が『夜兎族』なのだとしたら、なぜ___


次の瞬間、私の横で、グサッ、という音がした。
音のした方を見ると、私にあと数センチ、というところに刀が刺さっていた。

…どうやら、私の想定した最悪が現実となってしまったようだ。

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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月11日 18時

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