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20.朝ぼらけ ページ25

「はい、ストップ。」


阿伏兎さんの静止の声と共にピタリ、ととまる私。
対する神威さんは勢いのついた拳を止めることができず、私がそれを刀の鎬地で受け止める。
ジャリジャリとした砂の音の後、静寂が訪れる。


「何?阿伏兎。今いい所なんだけど。」


「いいところも何もあるかァこのすっとこどっこいども。なんか外が騒がしいと思ってきて見りゃ、朝からドンパチやってやがる。」


そう呆れた顔でいう阿伏兎さん。すっとこどっこいども、とは私のことも含まれているのだろうか。
私が戦ったのには真っ当な理由がある。決してただ戦いたかったからでは無い。…決して。


…まて、朝から?


ふと空を見上げると、太陽が登り始めていた。
この星からも太陽見えるんだ、なんて呑気なことを考えていたが、そんなことどうでもいい。


「朝!?」



「おう。ってまさかあんたら、夜から戦ってたわけ?」



「あぁ。いやぁ、意外としぶとくてね。"戦いの中で成長してやがる"ってやつだよ。久しぶりに楽しめてたんだけどな。」



そう、最初は神威さんに防戦一方だった。しかし、血によるものだろうか。夜兎の戦闘スタイルは身につきやすく、少しずつ攻撃が当てられるようになっていったのだ。



「2人ともボロボロで。今日だってこの星で殺んなきゃなんだぞ?」



「大丈夫だよ。Aも俺も、まだまだ戦い足りないしね。」



私はもう動きたくないんですが。だって、夜から朝までだ。
何時間やっていたかすら覚えていないというのに、神威さんときたらまだ戦う気力があるようだ。ほんとにバケモノじみた体力だ。



「じゃあ、続きはまだ今度ね。楽しみにしてるよ。」


これほどまでに嬉しくない「楽しみにしてる」があるだろうか。いや、確かに自分から戦闘に誘ったのは事実だ。


しかし、あれはなんというか、深夜テンションも混じっていたと思う。
眠い中見張りなんてやらされて、怒りをぶつけたかったのだ。きっと。


そんな言い訳をしながら、刀を鞘に収めた。

21.絶えず→←19.刀と拳



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愛梨沙(プロフ) - 面白いです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2019年12月23日 1時) (レス) id: cd2953f50f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!Twitterにもこちらにも感想を下さるなんて…!!更新頑張ります! (2019年8月16日 20時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - Twitterでのとあるふぉです!飽さんの小説最高でした、、神威かっこいい、、!!応援してます!これからも頑張ってください! (2019年8月16日 18時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ツナを食す夢猫さん» ありがとう…!!しっかりなんて…(∩_∩) 本当に適当に読んでくれて構わないからね! (2019年8月16日 16時) (レス) id: a32114e1fa (このIDを非表示/違反報告)
ツナを食す夢猫(プロフ) - 飽さんこんにちは()飽ちゃんの文をしっかり読むことは少ないから小説を読めるのが凄く嬉しいです!更新頑張ってね!! (2019年8月16日 9時) (レス) id: fb2e15c792 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月11日 18時

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