お誘い ページ25
your side
『ねえねえ、エーミール。』
呼び掛けるとカウンターの椅子に座って本を読んでいた彼は顔を上げて視線をこちらに向け、｢どしたん？｣と言いたげに首を傾げる。
『もう出席カード切りに行った？』
そう問い掛けると、色素の薄い瞳が揺れ｢あ、まだやった。｣と小さな声で呟いた。
やっぱりな、登校時刻までかなり時間がある時に来たのにエーミールが悠々と座っていたのは何か図書館でやる事があって早く来たのだろう。
『それなら一緒に切りに行こうよ。私もまだなんだ。』
と、誘うと
｢もちろん、そうさせてもらうと有難いわ。｣
と返ってきた。
エーミールが荷物を纏めながら奥の部屋へ｢出席カード切りに行ってくるのでその間受付お願いします。｣と声を掛けながら入っていくのを見てから自分の準備を始める。
外はコートを羽織ってもまだ寒いような気温だ。
そんな鋭く刺さるような気温に耐える為にマフラーと手袋を身に付け顔を埋める。
まだ室内だから少しだけ暑い、と感じた。
｢ごめんな、A。お待たせ。｣
と顔を出したエーミールはしっかりと防寒着を着込んで先程まで見えていたスラッとした体格は隠されている。
『室内だとちょっとだけ暑いね。』
｢せやなぁ〜もーちょい外暖かくなってくれるとええんやけどなぁ〜。｣
間延びした返事をしながら両開きの扉の片方に手を掛け端っこへ寄って｢お先にどうぞ｣とジェスチャーをしてくる。
この年齢でレディファースト、というかエスコートする男性なんて中々いない。
『そんな事私にしなくても良いのに。』とボヤくと、｢まあまあ、社会に出た時にきっと役に立つからな。｣と返ってきた。
そういう事じゃないんだよなぁ。
慣れてないから照れるんだよ。
エーミールは女の子と付き合ったことが無いからかしれっとこういう行動を取ってくる。
更に女の子の心境を読めないからボヤいても的外れな答えが返ってくるだけだ。
外に出てからそっと溜息を吐くと白い息がフワッと広がって消えた。
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夜光石(プロフ) - ゆきさん» お返事遅れてごめんなさい！最近占ツク見ていなくて通知流れてしまってました…。シロって名前可愛らしくて良いですね！確かに苗字は白城ですし白を基調としたお話ですからゲシュタルト崩壊してしまいそうです…！コメントありがとうございました！ (2018年8月20日 0時) (
レス) id: a687556f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ヤバイwwシロって名前が好きだから、シロにしてたら、めっちゃ白だったわww（語彙力） (2018年8月13日 16時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
夜光石(プロフ) - 椎名さん» いえいえ、こちらこそ分かりにくくてごめんなさい…！公園のところは冬の夕方という事で紫外線が弱まってる時間を狙っていました…！全然！気にしないでください！指摘してもらえると本編で話せなかった設定とか話せるので嬉しいです！ありがとうございました！ (2018年8月5日 21時) (レス) id: a687556f91 (このIDを非表示/違反報告)
椎名(プロフ) - 夜光石さん» そうでしたか。私の理解不足でしたね…すみません。鬱先生に出会うところはわかったのですが、公園の所が気になって…。本当に、申し訳ありませんでした。受験生の方なのですね。程々に、更新も頑張って下さい! (2018年8月5日 21時) (レス) id: 13ccb4a912 (このIDを非表示/違反報告)
夜光石(プロフ) - 椎名さん» 応援までありがとうございます！かなり日が空いてしまって書き方とか表現の仕方とか少し変わってしまうかもしれませんが頑張ります！受験生という事もあって中々長い時間小説に手を付けられなくて…申し訳ありません…！ (2018年8月5日 19時) (レス) id: a687556f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜光石 | 作成日時：2017年11月10日 0時
