８ ページ8
【rbr】
「それで、見せたいものって？」
今まで大先生に向けられていた目がこちらを向く。
彼女とは三年近く共に過ごしてきたが、目が合う瞬間は今でもドキッとしてしまう。
「これ、やっと出来てん！」
「もしかして、前に言ってた新型のインカム？」
目の前にそれを置けば、
わぁ、と彼女の顔が綻んだ。
インカムは、我々国幹部11名それぞれに配布されている俺が作った通信機である。
どんなに離れていても、ボタン一つで幹部全員と、もしくは個人と、通話することができる優れもの。
今皆が使っているものは一年ほど前の型だけど、今回のは更に軽量化を図り、音声がクリアに聞こえるよう鮮明化にも力をいれた。
そして、極め付けは…、
「…か、可愛い！！」
そう、デザイン性。
「A、こんなん好きやろ？」
彼女の手にのったそれは、今までの黒一色の統一されたデザインとは異なり、淡いピンク色の本体に散りばめられたラインストーンが目を惹く。
…我ながら、よくやった。
「うん、好き！大好き！」
俺に向けられた言葉じゃないのに、明らかに心拍数が上がるのを感じた。
いやいや、これは俺が悪いんと違う。
そんな潤んだ目でこちらを見上げ、あんな言葉を投げかけてくるAが悪い。
「ちょっとつけてみ？」
そう促せば嬉しそうに頷き、付けていたインカムを外しテーブルの上に置いた。
そして、新型を手に取り耳元に持っていく。
でも、付けるのがなかなか難しいらしく、
「…あれ？なんでだろ、つかない？」
Aが困ったように顔をしかめる。
「ごめん、耳の形に合うように形状も多少変えたから、付けにくいのかも。」
今までは、形状も全員統一だったから、今回からAの耳の形に合わせて少し小さくしたのだ。
「そうなんだ！じゃあ、付けてもらってもいい？」
私がやってたら時間かかっちゃう、なんて言いながらインカムを渡される。
そして、スルスルと髪の毛を片側に寄せ、
目の前ではAの首筋が露わになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 348人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲華☆(プロフ) - えなさん» コメントありがとうございます！いつのまにか非公開になってしまっていました…！えなさんのコメントがなければ、気付くのがもっと遅くなっていたと思います。本当にありがとうございました！これからも応援よろしくお願いします。 (2018年3月14日 0時) (
レス) id: ae69016188 (このIDを非表示/違反報告)
えな(プロフ) - はじめましてコメントさせていただきます。いきなりで大変申し訳ないのですが46話が飛んでしまっていますかね？貴方様の文章はとても魅力的で毎日楽しませて頂いていますのでこれからも更新頑張ってください！ (2018年3月13日 17時) (レス) id: 7da7be48be (このIDを非表示/違反報告)
咲華☆(プロフ) - にゃんすさん» お褒めの言葉をそんなにたくさんありがとうございます！とっても嬉しいです…！更新頻度は落ちますが、にゃんすさんの為にも完結まで頑張りたいと思います。大先生にも頑張ってもらうつもりなので、これからも応援よろしくお願いします！ (2018年3月2日 13時) (レス) id: ae69016188 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんす(プロフ) - 陰ながらいつも更新を待ち望んでいる者です。早く続きが気になるというやましい理由ですがコメント失礼します。誤字も少ないし文の構成もとても読みやすく、話自体も先の展開が気になる素晴らしい作品だと思うので、これからも頑張ってください！あと大先生も頑張れ！ｗ (2018年3月2日 0時) (レス) id: 5e19280e9c (このIDを非表示/違反報告)
咲華☆(プロフ) - なっつさん» はじめまして！こめんとありがとうございます。そう言っていただけて、とても嬉しいです！頑張ります！！ (2018年2月22日 16時) (レス) id: ae69016188 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲華☆ | 作成日時：2018年2月19日 20時
