第11話 ページ13
*チーノ side*
チ「いや〜、太っ腹ですねぇグルッペンさん！ それって、ホンマに何でも望んでええんでしょ？」
グ「ああ。どんな望みでも、できる限り叶えてやるさ」
チ「やってさ！ 良かったやん、レイ」
にっこりと笑って顔を向けると、レイは困ったようにぶつぶつと呟いていた。
レイ「の、望み…望み……。望み、と言われましても…いきなりの事で、何も思い浮かばなくて……！」
どうやらかなり混乱してしまっているらしく、顔も真っ赤になっている。
これが…ついこの間まで戦場に立って、冷静に敵を倒してた子と同一人物なんてなぁ……。
まぁ……元々、物欲とかあんまり無い子やし。突然こんな事言われて、戸惑うんも当然か。
そんな事を考えながら、グルッペンさんと共に彼女の答えを待つ。
しばらく悩んで、ようやくレイは口を開いた。
レイ「そ、それでは……よろしいでしょうか」
グ「ああ、遠慮せず言ってみろ」
レイ「で、では……
───私とチーノ先輩のお休みを、同時にいただけませんか？」
チ「……へっ？」
自分の名前が出てくるとは思わず、キョトンとして彼女を見やる。
グ「ほう……？ それはまた、なぜ？」
レイ「え、えっと…私、まだ街をゆっくり見た事が無くて……。できれば…チーノ先輩と一緒に街巡りしたいなぁ、なんて……」
耳まで真っ赤にさせてうつむく彼女の思わぬ言葉に、自然と鼓動が速まる。
グ「ふむ、なるほど……。だが、その望みを真に叶えるのは俺ではないな」
そう言ってグルッペンさんは、わざとらしく俺に目を向けた。
グ「なぁ？ チーノ」
その意地の悪い笑みに、グッと言葉を詰まらせる。
レイ「す……すみません、先輩。付き合わせてしまう事にはなるのですが…こんな機会でもないと、頼めないと思って……」
申し訳なさそうにそう言う彼女を無下にあしらう事もできず、呟くように答える。
チ「……まぁ、君がそれでええなら」
レイ「えっ……ほ、本当ですか!?」
バッと頭を上げた彼女は、大袈裟なくらい顔を輝かせた。
グ「なら決まりだな。適当なタイミングで、お前たち二人には休みをやろう。そこからは、好きにするといいさ」
グルッペンさんからの許可もいただき、俺とレイは今度の休日、街巡りをする事となった。
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空文 晴霧(プロフ) - suzurei/鈴玲さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2020年3月30日 12時) (
レス) id: 9bc8a66818 (このIDを非表示/違反報告)
suzurei/鈴玲 - 更新頑張ってください…！応援してます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: 54995dabe3 (このIDを非表示/違反報告)
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