【小説】物語の主役は我々だ！【詰め】 (ページ6)

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4．違和感ページ6

｢…ん……あ、れ？…………っ……頭いった…｣

…？
開いた目に飛び込んでくる景色は暗くモヤがかかっているみたいに見えづらい。
なにより頭が割るように痛い。
なんだ。
どうなってるんや？
ズキズキと頭の奥が殴られているみたいだ、クソッ。

｢!? ゾム！ゾムが起きた！！うわぁあああロボロ！ロボロ聞こえるか！？応答せよロボロ！応答せよロボロ！！｣

この声はコネシマか？
相変わらずうるさいなこいつ。
…なんて呑気に言ってる場合じゃないな。
無理矢理身体を起こすと今度は胸が痛い。
不明の痛みを持つ胸を押さえ込み、わけも分からず混乱する。
するとベッドの側の小さな机の上に置かれたインカムからロボロの声が聞こえてきた。

『ちょっと声抑えてや聞き取りづらい…ごめんもう一回お願い』

｢だからゾムが目ぇ覚ましたからはよグルッペン達呼べって言うたんや！！｣

『もっと早く言えや！すぐに知らせるね！！』

"目を覚ました"とコネシマは言った。
確かに俺は目を覚ました。
だけどだからなんだっていうんだ？
目を覚ました"だけ"じゃないのか？
なんでグルッペン達を呼ぶようなことになってるんだ。

｢…シッ……、？｣

おかしい。
あの頭痛も胸の痛みと包帯も、コネシマやロボロの反応も。
声もうまく出せないし筋肉が変になってて手足に力が入らない。
…おかしい。

｢どうしたゾム！大丈夫か！？すぐに医者とグル氏達が駆けつけてくる筈やからもうちょっと我慢せぇ！｣

我慢？
なんだよ我慢って。
あー…くっそ、なんか腹立ってきた。
状況の把握がまるでできない。

何に対してかすら分からない憤り。
いいや、これはきっと何も分からない自分に対しての怒りだ。
そしてようやく目が慣れたのか、視界が晴れてきた。
真っ白い部屋だ。
日頃あまり世話にならないように気をつけている場所。

｢…ッんだよ…医務…室……かよ…｣

憤りが絶望へと変わっていく瞬間。

俺は意識を手放した。