氷室さん ページ28
「……っその、」
「うん」
いきなり核心に触れたからだろう、Aさんは困ったように視線をウロウロさせ、手も慌ただしく体の前で組んだり解いたり。口も言いにくそうにパクパクして。
いつもなんだかんだでマイペースに生きている感じのAさんが、ここまで慌てているのを見るのは新鮮というか、珍しい。
そんな様子を見ていると、なんだか無理強いして言わせている気がして申し訳なさが湧き上がってくるが、そこを聞かずして話は進められないので頑張ってください。
……つっても、俺だって緊張してて、今手汗やばいんだけど。
「……そう！教科書！古典のやつ返しに！」
「……へ？」
「はい！」
「え、あ、どうも……？」
出鼻を挫かれた気分だ。
予想してた内容とズレていたそれ。多分意図して彼女は避けたんだろう……俺の勘が合ってたら、の場合。
でもいそいそとカバンから取り出された古典の教科書は、確かに俺が今日貸したやつ。初めてAさんに貸せたそれたった。
「なんか変な落書きあった？」
「え、いやなかったよ？でも強いて言うならヒョロヒョロのシャーペンの線がいっぱい通ってるとこあって笑った」
「そこは……眠かったんだろうなぁ」
「古典って眠いよね」
きっとこのまま受け取るだけじゃ、また沈黙が訪れるだろう。それは避けようと思ってなんとなく俺から話題を提示した。
そしたら割と恥ずかしい返答を受けた。だって眠いからね、古典。
その後もポツポツ話してみたけど、明らかにいつもの会話のペースではない。いつもより会話が少ない。
……まぁこの際だ。白布に『いってくる』宣言をした上なので、俺から本題に入ってしまおうか。
「なあ」
「ん？」
「……本当は、話ってそれじゃないだろ」
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花見っ子(プロフ) - 黒アゲハさん» 嬉しい！あざす！！ (2020年12月6日 23時) (
レス) id: 20bc02c642 (このIDを非表示/違反報告)
黒アゲハ - 最高！！です！！(語彙力低下) (2020年3月8日 11時) (レス) id: e50eb8517a (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 柚子胡椒さん» コメントありがとうございます。おかげさまで完結です……読んでくれて嬉しいです。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
柚子胡椒 - 太一ッッ！！！もう、やばい。ヤバい(語彙力) こういう話大好きです！更新お疲れさまでした！もう、文章が綺麗すぎて…自分の名前出てきた時はハウッてなりましたね。はい。夢主ちゃんと太一可愛すぎて…白布が苦労するのも分かるわ…(笑) (2019年3月29日 22時) (レス) id: 28791102e9 (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - Zeroさん» コメント感謝です。太一素敵ですよね…… (2019年2月10日 14時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花見っ子 | 作成日時：2018年9月15日 21時
