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「すいません遅れました!」
「あれ、日向君?随分早かったですね」
Aに言われた通り進むと見覚えのある大通りに出て、日向は記憶を頼りにバスがあるところまで戻ることができた。
大慌てでバスに乗り込むと、不思議そうな顔をした武ちゃんに、そんな事を言われ、日向は頭にクエスチョンマークを浮かべた。
「え、早い?だって時間……」
そう言って時計を見ると、なぜか先ほど自身が確認した時刻より早いものを示していた。その時計がずれているのかと思いきや、他の人の物も同じ時刻を示している。
「でも先生、電話くれましたよね?」
「え、僕ですか?電話なんてしてませんよ?」
「え?」
「第一、僕は日向君の電話番号知らないですし……何かあったんですか?」
言われてみればそうだ、と日向は思う。あの時は焦っていてそれどころではなかったけど、よくよく考えたら日向は武ちゃんに電話番号を教えた覚えはない。他の部員の携帯からならわかるが、武ちゃんは電話をまずしていないと言う。まあ時間ではないので当たり前かもしれないが、きっと嘘はついていない。
そしてもっと不思議なこと。
「あれ……?」
通話履歴すら、残っていなかったのだ。
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花見っ子(プロフ) - 壊れた音楽家さん» 本当にコメント嬉しいです。第一に作品に対して感想を持ってもらえてよかった、なんて思ってます。それこそ次回作も、ご期待に添えるかはわかりませんが、自分なりに工夫はしますので、気が向いたらまたよろしくお願いします。ありがとうございました。 (2019年5月21日 22時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 川子さん» 素敵なんて言ってもらえてまずそこが嬉しいです。勿論読んでもらえたこととか、コメントもらえた事にも感謝しているんですが。初の試みだったので反応を頂けると有り難い。川子さんがもし復帰して、もし作品書くことがあるなら教えてください。 (2019年5月21日 22時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
壊れた音楽家 - 先ずは作者さん。素敵な作品をありがとうございます。読んでいて凄く感動しました。本を読んで泣いたのは久しぶりです。この作品を読んで俺は部活にもう一度復帰しようかなと思えました。本当にありがとうございました。花見っ子様の次回作に期待しております。 (2019年5月21日 19時) (レス) id: b9c431de9a (このIDを非表示/違反報告)
川子 - 純文学に面白味を感じ、何年も前に辞めてしまったこのサイトには戻れないと確信してたのですが、この小説を見てあの時を思い出し、男主の過去のシーンにやられ、うるりときました。素敵な作品をありがとう。 (2019年5月21日 1時) (レス) id: b77960c3dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2019年5月19日 17時