これは恋ではないので、【国見英】

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その後は言うまでもなく、気まずい事この上なかった。

本当は、なんとなくわかっていたのだ。多分国見の話したいことというのが、あの日の続きじゃないってこと。

なのに、怖くなって逃げ出して。自分勝手にいろいろ動いた結果、更に状況が悪くなった。



(なにやってんだろ……)



クラスは違うからそこまでではないけど、廊下なんかですれ違った時。お互い友達と一緒だったからか、国見が何かを言ってくることはなかった。ただ、何か物言いたげな表情で見られて、余計胸が痛んだ。


……でも、その “ 何か ” を聞いた時、多分冷静ではいられないと思うのだ。


その後もなんとなく周りに不審がられない程度に国見を避けた。

国見も私が避けている事に気が付いたようで、途中から視線が合うこともなくなった。

これでよかったはずなのに、余計苦しくなった気がするのは、気のせいという事にしておきたい。



(……こんな終わり方、望んでなかった)



せめて

好きだった事を告げて

きっちりフラれたかった。

それを叶わなくしたのは、紛れもなく私だけど




そんな事を、望んだからか



「……橋下？」

「……え、」



なんで、立て続けにこんなに？

神様、私はここ数日でどれくらい負債を返さないといけないんですか。

もうちょっと分散型がいいです……



「……久しぶり」

「あ、久しぶり……」



ここ数日のエンカウント率の高さよ。

放課後、たまたま違う道を通って会ったのは、

中学の時より少しだけ背が高くなって、

髪型もちょっとだけおしゃれになって、

動揺を隠しきれていない



「……水瀬君」



水瀬君、でした。

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