これは恋ではないので、【国見英】

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「……もういい、もういいよ。本当に嫌だったんだね、ごめん……」

「なあ、本当に何の話してんだよ」

「中学の時とか全部、ごめんね、私が関わったから国見が嫌な思いする……今のだって私がまだ付きまとうって思ったから先手打ったんだよね。そうだよね、好きな人くらいいるよね」

「中学の時？何で今そんな話すんだよ、俺が呼んだのはそんな話するためじゃなくて」

「もうわかったってば」

「……聞けよっ！」

「嫌だっ！」



また一段と大きな声が出る。

でも、だって嫌だ、嫌だよ。

これ以上否定されるのはきつい。

恋じゃなくたって、辛い。

お願い、これは恋じゃないんです。だから、



「……ほっといて、お願い……」



それだけ泣きそうな声で呟いて、結局国見の制止の声も聞かずその場を離れた。

まただ、苦しいな。



『言いたいこと、あるでしょ？』



ごめん、月島君。

あんなに励ましてもらったのに。

言えなかったよ、言いたかった事。

それどころか、また失敗しちゃった。

本当はまだ好きでいたかった。この前漏らした本音は、今でも思う。でも、もうそんな高望みはしないよ。だって、好きでいる事も迷惑みたいなんだもの。

贅沢は言わない、ただ同じ高校の一同窓生として、何事もなくいられれば、それだけでよかったのに。それもダメなのか。

それすら、高望みだったのか。



「ごめんなさい、ごめんなさい……」



これは何に対する謝罪なのか

自分でも、もうわからなかった。









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「……何よ、あれ」

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