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「ちょっと聞きたいんだけど、いい?Aさん」
「え、あ、うん?どうぞ……?」
「バレー部に、何かあるの?」
急に確信に近いところを突かれる。
今度こそ確実に、喉元で変な音がした。
ヒュッと息を吸って、その後一瞬呼吸を忘れた。驚き?いや、これはもう恐怖に近い。
「な、なんで?別に、特にないけど」
正確にいえば、バレー部ではない。
バレー部の、あいつだ。
でもなんで?なんでそんな事を今聞かれているんだろう?この数分間でそれを察するような身振りはしてないはずなのに。
「ふうん?でもさっき山口がバレー部の話題出した時、顔が一瞬引きつったね?なんでだろう」
「気のせいだよ……」
「ツ、ツッキー……?」
山口君も、月島君の態度の変わり様を察知して、戸惑いの声を上げる。
……でも、なるほどなあ。途中から月島君、口数減ったもんな。なんか気付いちゃったんだろうね。困っちゃうな、変に感が良くってさ。
そして、そんな私に月島君は再度言う。
「あ、そう?じゃあもう一つ質問ね。なんで “ 放課後いつもすぐ帰る ” ような人が、こんな時間に、学校近くにいるワケ?」
しまったと思った。焦っていたせいで墓穴を掘ったらしい。
さっき自分で言った。放課後はすぐ帰るって。確かにそれなら、こんな部活の人たちが帰り始める様な時間、家に着いてる。
……でもまさか、そんなとこまで?
普通にしてれば流されるけど、相手は月島君、しかもこの状況。言葉に詰まった私は「彼らにとって何かを隠してる」と言わんばかりだ。
どうしよう
どうしよう、どうしよう
どうしよう、どうしよう、どうしよう
下手な事を言えば、きっとすぐにバレる。でも本当の事を話すの?引かれるに決まってる。なんでこんな時間に、なんて、国見に会わないようにしたからで。そしたらきっと、なんで国見?って話になる。
さっきの流れだと、この2人は曖昧ながらも国見を知っている。やらかした、まさかバレー部繋がりがあるなんて。
でもそれこそ、国見の事を話したら?
この2人にも、あの目を向けられるんじゃないか
あの、中2の冬の、
『……うっざ』
……それだけは、もうごめんだ。
でも頭が働かない、どうすればいい?何か言わなきゃ、どんどん不信感が積もってく。
状況把握が追いつかず、動揺を隠せない山口君
対して無表情に私を見る、月島君
ああ、どうすればいい?
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雪猫(プロフ) - 花見っ子さん» いえいえ!大丈夫ですよ!続きも読ませてもらいました!国見ちゃん視点を読んでもっと面白いなって思いました!国見ちゃんがどう思ってたのかとか、あの誤解は結局どうなんだろうとか考えるのが楽しいです!続きも楽しみです!頑張ってください! (2019年8月19日 0時) (レス) id: 044c7ba7ac (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - しば子さん» 本当にコメント返すの遅くなってすいません……その上更新も酷く不定期で。その中で読んでいただけて嬉しいです。今後も少しずつ頑張りますので、よければまた見てくれたら嬉しいです。 (2019年8月11日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
花見っ子(プロフ) - 雪猫さん» ずっとコメントお返しできてなくてすいませんでした。今更なんですが本当にコメント嬉しかったです。自分で書いててあれなんですが、わかりにくいところも多いと思います。そんな中読んでくださってありがとうございました。続編も書いたのでよければ…… (2019年8月11日 20時) (レス) id: e5466e3cbf (このIDを非表示/違反報告)
しば子 - 国見推しなんですけど、話の続きがすごい気になるし続きを読むたびドキドキします笑このお話大好きです!更新楽しみにしています、無理しない程度に頑張ってください!! (2019年7月28日 10時) (レス) id: 923e20aa2a (このIDを非表示/違反報告)
雪猫(プロフ) - こうゆう感じのお話好きです!更新頑張ってください!!最近国見ちゃんが自分の中では来てて、続きが楽しみです! (2019年6月29日 1時) (レス) id: 7dccd2123b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花見っ子 | 作成日時:2019年3月30日 21時