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腕を国木田君捕まれたと思ったら
一気に宙を舞った。
「う”っ………!!!」
ドンッという強烈な音と共に、
身体が軋む音が聞こえた。
仰向けになっていた身体は耐圧する
しか出来なかった。
「退いて、国木田君。」
天井をバッグに国木田君は私の抵抗する
身体を必死に抑えていた。
「お前とAの如何は知らんが、
これだけは観てみぬ訳にはいかん。」
何とも正義感の強いお人だ。
「何もしないよ、だから退いて。
私は帰らせて貰う。気分が悪すぎる。」
国木田君にそう言うと身体にきていた
重みが消えた。
立ち上がり早く帰ろうとすると、
ドアの横で苦渋に満ちた顔と頸を触り
咳き込む女が座り込んでいるのを見つけた。
「二度と来るなとあれほど言ったのに。
君は本当に嫌いだよ。
これからも此処に来るんだったら、
君が来なくなるまで此処に私は顔は出さない。
何時になったらこの今すぐにでも
絶ちたい悪縁を絶てるんだろうね。
もし、来世でも君に会ったら其れこそ
悲運だよ____」
「……………」
何も言わず、か…………
悪口雑言を並べたけどまぁいい。
この女の今の傷と、私の古傷との差は
天国と地獄の差だ。
「失礼するよ。」
そう言い残し、武装探偵社と書かれた
ドアを乱暴に閉めた。
「そう言えば……
また雨が降るって言ってたっけ…」
一階にやや古風な喫茶処がある。
昼に朝に来た依頼を外で片付け、
其の喫茶処、『うずまき』に
カレーライスを食べに依った時に雨傘を
置いてきてしまった。
ドアを開け自分が座った席を見ると
ビニールの雨傘があった。
それを掴み、外に出ると
曇天空が泣いていた。
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加奈 - 気になるんですが。 (2020年6月18日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
黒木 - tomo☆さん» たまたま思い付いてバッと書いただけなので名前はなかったのですが、つけるとしたら『翹望』でしょうか。意味はひたすら待ち望むことです。ちなみに『翹望』の詩の下の部分は『残光』です。(詩ではないです。) (2016年9月23日 23時) (レス) id: 30aec25ac4 (このIDを非表示/違反報告)
tomo☆ - すいません、拾漆にでてくる蝶の詩の題名はなんですか。 (2016年9月20日 15時) (レス) id: da2441fb80 (このIDを非表示/違反報告)
黒木 - 華京院アリスさん» ありがとうございます。私も初めて小説を書いるので、アドバイスが出来る立場ではないですが、感動などを相手に伝えたいならそのような本や歌、映画などを参考にして書いています。かといって真似をしてはいけないので、毎日詩を書いています。お役にたてれば幸いです。 (2016年9月13日 16時) (レス) id: 30aec25ac4 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス(プロフ) - はじめまして!読ませていただきました。感動しました(T . T)私も小説書き始めたんですが、こんな感動的な文章、書けません!もし迷惑じゃなかったらアドバイスとかもらえたりしますか?何度見てもいい文章ですね!更新頑張ってください (2016年9月12日 21時) (レス) id: 270ea87993 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2016年8月24日 19時