太宰さんはあの(？)美人さんが嫌いなようです。【文スト】

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「女でもない……？」

太宰さんに聞きたいことが一気に
押し寄せた。




探偵社に入ってから数日、
僕、中島敦は疑問に思うことがあった。

探偵社には調査員や、事務員の人達が
今も働いている。

調査員は書類や、報告書を
纏めなければならない事件や依頼があるため、
やはり事務机が必須となる。

空いている机もあるが、
資料が入っているであろう
ファイルが何冊か立ててあったり、
パソコンが置かれている机が1つだけある。

僕は数日で太宰さんや国木田さん、
谷崎さんや乱歩さん、与謝野さん……

他の人達とも顔合わせをしたのにも
拘わらず、その机の持ち主の人だけ
顔を見たことがない。

その疑問を太宰さんに投げかけた。
するとあの様になった。

今も太宰さんは嫌悪感を放っている。


「私にとってはね。皆は女って言うけど…」

「え？」

太宰さんはを自. 殺好んでおり、
今は美しい女性との心中を一番にと、
考えでいる人だ。

然し、太宰さんは机の持ち主の女性の
ことを“女”と言い、その上、女ではないと
言い放った。

これは自. 殺と女性をこよなしく愛する
人にとっては異状であるのだ。

如何にもその女性と太宰さんに何かあったのだ。
それが聞きたくて仕様がなくなった。


「何かあったんですか？」


聞いていいのか少し迷ったが
この状況では聞きたいという思いが
勝ってしまった。

「…………敦君、人には聞いて欲しくない話
が1つや2つ、もっとある人だっている。
私の場合、その女の話だ。其れ故、幾ら君が
気になっても、天地がひっくり返ろうとも
私は君にこの話をしない。」


二度とね＿＿＿＿

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