◆言語のハードル(高) ページ12
sha side
文字が書けない。
そう言った彼女はどうやら本当らしかった。
読めるだけ読めて、少なくとも公用語とω語が話せる彼女は違いがわからないと言い出した。
とりあえず、ここじゃあれだから、と数冊気になった本を持って客間に戻ってきた。
「んー、じゃあ、"好きな食べ物教えて"」
『"オムライスです"』
「じゃあ、嫌いなんは？」
『人参です』
「"パスタで好きなんは？"」
『"ジェノベーゼです"』
「んーーー、使い分けできてるで？」
『ほんとですか？』
全然分からない、と困り顔の彼女。
「今から、公用語で質問するから、ω語で返して？」
『やってみます』
「明日の天気知っとる？」
『天気予報は晴れでした』
「うーん、公用語やな」
『そうなんですか…』
「次逆な？"今日の朝ごはんは何食べた？"」
『"パンにジャムぬって食べました"』
「それはω語やな」
『えー、、』
どうやら聞かれた言葉と同じ言語で返すらしいことはわかった。他の言語も使えるのかどうかとかはやっぱりマンちゃんかエミさんやな。
もし、出来るとしたら相当な脅威だ。他国の情報を全て理解出来る存在になってまう。危ない。本部戻ったらすぐ報告せなあかん。
「とりあえず、公用語の文字の書き方は教えるわ。」
『ありがとうございます』
「匿ってもろたお礼やし、ええよ」
もう少しこの家のことや彼女のこと調べる必要もあるし、足のこともあるから数日お世話になろう。正直、監視対象やし。
言葉の練習、なんていって色んな質問をしてみたらほんとか嘘かは知らんけど案外色んなこと答えてくれた。
1ヶ月半くらい前に引っ越してきたとか。
ここから町まで出るのに歩いて1時間くらいかかるとか。
町の小さな食堂で働いてるとか。
ω国の幹部は町で来てたコネシマと鬱しか知らないとか。
彼女のお父さんは医者で、もう亡くなってもうたとか。
今はひとりで暮らしてるとか。
警戒心もなく、なんでも話す彼女。
もし、読めて話せるのが、まだ気づいてないだけで彼女の能力だとしたら。この世界では聞いたこともないある意味最強の能力の持ち主になってしまう。どこかの国に持ってかれるのはまずい。早めにωのもんにせえへんとあかん。
「あんな、Aさん」
『はいなんでしょう』
「その、読めるとか話せるとかあんまり言わんほうがええかもしらん」
『え、』
「あー、基本的にな、識字率って低いねん。やから、分かるだけでも偉いさんの子とか思われて狙われやすくなんねん」
『な、なるほど』
「やから、な？秘密にしときや」
『わ、分かりました』
これで、どこまで持つかやな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1818人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ーーー - 好きです (3月13日 4時) (
レス) @page35 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
マリン(プロフ) - 楽しい作品ありがとうございます！続きも楽しみにしてます。 (2023年3月27日 10時) (レス) id: 26248b9bea (このIDを非表示/違反報告)
なな - お米様抱っこ好きですw (2022年10月15日 21時) (レス) @page28 id: 7cadbb1f0e (このIDを非表示/違反報告)
スンドゥブ左衛門(プロフ) - 無名さんさん» お返事遅くなりました。どちらに掲載したのか等をお教えいただけるのでしたら、是非お願い致します。ﾂｲｯﾀとかでご連絡頂けると助かります。 (2022年8月7日 8時) (レス) id: 2b12ea7bfc (このIDを非表示/違反報告)
無名さん - 失礼します！僕今、おすすめの作品を紹介していて、作者様のお名前と作品を出してもよろしいですか！？こちらの作品僕大好きでして…ぜひ紹介したいんです！ (2022年8月6日 11時) (レス) @page35 id: ea8e66f22c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スンドゥブ左衛門 | 作成日時：2022年6月14日 15時
