魔王と冷徹(笑)狙撃手【WT】

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チームランク戦は年に3回、3ヶ月掛けて行われる。
2月〜4月、6月〜8月、10月〜12月の期間だ。

つまり、Aが参加するまでには約2ヶ月程の余裕がある訳で。

その期間をどう使うか、彼女は隊長の二宮に言われた。

「お前個人の技量は申し分ないが、チームにはまだ慣れきっていない」

それは彼女も気にしていた問題点だった。
そこを二宮にも指摘され少し凹んでいると、オペレーターの氷見が彼女の戦闘記録を持ってきた。

「記録を見ていると、Aちゃんはポジションが狙撃手だけど、中距離も対応出来るんだね」

氷見の発言に、一つ頷く。

彼女は狙撃手トリガーも6000ポイントは超えているが、銃手トリガーもまた、6000ポイントを超えていた。

それは狙撃手の弱点を補うと同時に、個人(ソロ)であった所為でもある。

「とりあえず、Aちゃんには狙撃に専念してもらってはどうでしょう」

「俺もそれで良いと思うな〜」

「うん、俺もそうした方が良いと思う」

「……決まりだな」

斯くして、彼女は銃手トリガーの使用が禁止された。



そうして、とりあえずの作戦会議は終わり、彼女は次の防衛任務まで暇を持て余していた。

普段なら訓練ブースに飛び込むが、今はそんな時間的余裕は無い。

すると、不意に目の前に現れた人物に、彼女は捕まった。


「よっ、槻島。ぼんち揚げ食う？」


実力派エリートを自称する、S級隊員の迅悠一であった。



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