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72話 作戦は待機。 ページ26

「済まなかったA。


決してお前を見捨てたわけじゃない。


お前はボーダーにとっても、私にとっても居なくてはならない存在なんだ。」


「…うん」


頭上から降ってくる声は酷く優しくて、


嘘じゃないんだなと思えた。


「どうやら、情報伝達が上手くいっていなかったようだ。


携帯電話は携帯しなければ意味がないぞ。」


父さんが優しく笑った。


抱きしめられてから握りっぱなしの父さんのスーツは皺がつきそう。


でも、今は、今だけでも、


もう少しでけこの状態で居たかった。


あと少しで、私は戦いに行かなければいけない。


別に怖くはない。


私には守りたいものがあるから。


それでも、一度この温もりを感じてしまうと、どうしても離れがたかった。




「……よし、作戦を教えてください。」


もう少し父さんと一緒に居たかったが、そういうわけにも行かないのだ。


名残惜しくも父さんから離れる。


「ああ、それでだな、玖島隊員には暫くここで待機してもらうぞ。」


鬼怒田さんが説明してくれるようだ。


「しかし、市街区では被害が拡大しているのでは…」


街に向かって近界民は進行しているというのに私はここに居てもいいのだろうか。


そんな私の疑問に帰ってきたのは驚愕の返事だった。


「先程、風間が緊急脱出した。」


「…っえ?師匠がですか?」


そうだ、と城戸さんは続ける。


「今回の侵攻は未だ嘗てないほどの強敵の出現が確認されている。


しかも、黒トリガーの人型もいる。」


そんな状態で多くの非戦闘要員がいる本部を襲撃されてはたまらない。


よって、必然的に何人かは本部に止まるべきだという訳か。


「わかりました。


ただ、外の様子も気になるのでいつでも外に出られるようにして居ます。」

73話 目標発見、迎撃します。→←71話 父の気持ち。



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ピヨ丸(プロフ) - サさミさん» ゆで卵 (2017年11月23日 18時) (レス) id: 48f784300c (このIDを非表示/違反報告)
サさミ - サさミです。応援してます。私の作品でも是非コメントしてね。ゆで卵(笑) (2017年11月22日 21時) (レス) id: df5b65dd8b (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます! (2017年11月5日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ丸(プロフ) - ありがとうございます。気付くのが遅くてすみません。更新は本当に遅いですが、それでもよかったら楽しんでいただけると嬉しいです。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: 2c9238a28f (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - とても面白いです!これからも更新頑張ってください(´∀`)応援しています! (2017年10月24日 20時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピヨ丸 | 作成日時:2017年8月27日 13時

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