69話 深読みで。 ページ23
大規模侵攻が始まる。
そう言われて思い出すのは、私にとって最悪の思い出。
思わず顔が歪む。
しかし、今は緊急事態。
感傷に浸っている暇はないのである。
「取り敢えず玉狛第一は合流を優先で。」
林道支部長が的確に指示を飛ばしていく。
この場合私は何をすればいいのだろうか。
「私はどうしたらいいんですか？」
こういう場合は指示を仰ぐのが得策だ。
すると林道支部長がこちらを向いて、
「あ....忘れてた。」
「なんですか？存在感が薄いのはわかってますよ。
でも今は緊急事態です。冗談は後で...」
しかし林道支部長の顔はいたって真面目だ。
「いや、君のことを忘れていたわけじゃない。
Aは連絡聞いてないのか？」
連絡とは一体何のことか。
「何のことか分かりかねます。」
「君はこの間から1週間本部で24時間待機だよ。」
「え...」
どうしてそんな重要な連絡が回ってきていないのだろうか。
もしかして、私はボーダーにとっていらない存在になったのか？
最近はあまり成果を上げていないし、会議にも呼ばれにくくなった。
連絡ミスとして緊急時にその場にいなかった私をボーダーから追い出すのだろうか。
「そんなのいやだ...」
「何か言ったかい？」
林道支部長がこっちを向くけど気にしない。
「私、本部に行ってきます。」
【トリガー起動】
ノーマルトリガーで走れば本部はすぐそこだ。
「私の居場所を、奪わないで..…。」
小さな呟きは誰にも届かない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピヨ丸(プロフ) - サさミさん» ゆで卵 (2017年11月23日 18時) (
レス) id: 48f784300c (このIDを非表示/違反報告)
サさミ - サさミです。応援してます。私の作品でも是非コメントしてね。ゆで卵(笑) (2017年11月22日 21時) (レス) id: df5b65dd8b (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます！ (2017年11月5日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ丸(プロフ) - ありがとうございます。気付くのが遅くてすみません。更新は本当に遅いですが、それでもよかったら楽しんでいただけると嬉しいです。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: 2c9238a28f (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - とても面白いです！これからも更新頑張ってください(´∀`)応援しています！ (2017年10月24日 20時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ピヨ丸 | 作成日時：2017年8月27日 13時
