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62話 怒る空閑と笑う玖島。 ページ16

「なあこの見物人集めたのお前か?」


なんでもないように言う空閑くん。


しかしその実彼は怒っているのだろう。


その闇を、怒りを隠して話す空閑くんは恐ろしい。


「......ちがうよ


風間さんと引き分けたっていうウワサに寄って来たんだろ。」


あくまでも平静を保つ緑川。


私からしてみればよくそんなに顔に出さないでいられるなと思うほどだ。


「オレは何もしてないよ。」


「ふぅん...」


ここまで見え見えの嘘をどこまで隠すつもりなのだろうか。


そろそろ見苦しい。


仲裁に入るべきかなぁ、


なんて呑気に考えていると空閑くんの雰囲気が変わった。



『おまえつまんない ウソ つくね』


「⁉」


っなんだこれは。


今までのヘラヘラした様子の空閑くんとは明らかに違う。


「俺とも勝負しようぜミドリカワ。


もしおまえが勝てたら...



俺の点全部やる、1508点。」


「な⁉」


驚いた顔をする三雲くんと緑川。


これはいい展開だ!


前言撤回しよう。


ありがとう空閑くん。


これぞまさに私好みの展開だ。


「そういう暑苦しいの、嫌いじゃない。」


自然と口角が上がってしまう。


それを見てギョッとする三輪隊の人。


いけない、今はマスクをつけていないんだった。


急いでいつもの気だるげな顔に戻す。


その間にも対戦ブースへ移動した2人を見て、


柄にもなく今日は来てもよかったかななんて思ったり。


きっと引きこもっていた数年前まではこんなこと思いもしなかっただろう。


あの時は恨んでいた。


けれど今は少しだけ思っているかもしれない。


整理しきれない私の心に浮かんだひとつの想い。



「ああ、ボーダーに入ってよかった。」


ぽつりと呟かれた声は楽しげだった。

63話 熟練者と未熟者。。→←61話 模擬戦の後。



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ピヨ丸(プロフ) - サさミさん» ゆで卵 (2017年11月23日 18時) (レス) id: 48f784300c (このIDを非表示/違反報告)
サさミ - サさミです。応援してます。私の作品でも是非コメントしてね。ゆで卵(笑) (2017年11月22日 21時) (レス) id: df5b65dd8b (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます! (2017年11月5日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ丸(プロフ) - ありがとうございます。気付くのが遅くてすみません。更新は本当に遅いですが、それでもよかったら楽しんでいただけると嬉しいです。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: 2c9238a28f (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - とても面白いです!これからも更新頑張ってください(´∀`)応援しています! (2017年10月24日 20時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピヨ丸 | 作成日時:2017年8月27日 13時

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