61話 模擬戦の後。 ページ15
私の面白いことの定義の中には
「自分が参加しなくてもいい」
という項目がある。
というわけでこのお願いに対する答えはNOだ。
「嫌です。めんどくさいですし、疲れますし。」
こんな事だけのために覇剣を使って寝込むなんて冗談じゃない。
っていうかこの人、
よくあれが私と同一人物だとわかったな。
「そっか、残念だわー。
お前強そうだったから勝負したかったんだけど。」
よかった、案外あっさり引いてくれるようだ。
「っていうかなんだあ?妙にギャラリーが多いな。」
お前なんか知らない?と笑顔で聞いてくる三輪隊の人。
残念!私は知らないし、知っていたとしても教えない。
「知らんですね。」
どうやら観客は皆一つのブースを見ているようだ。
モニターを見れば
【緑川 対 三雲】の文字が。
どうやら三雲くんのほうが圧倒されているようだ。
そのうち対戦が終わり、三雲くんが出てきた。
にしても、緑川という奴は知らないな。
ここ最近でA級3位までの隊の情報は頭に詰めた。
のでおそらく4位以下の隊所属だと思われる。
そしてそこに出てきた緑川らしき人物。
「おつかれメガネくん。
実力は大体わかったからもういいや、
帰っていいよ。」
うわ、なにあれムカつく。
後輩があそこまで言われると胸糞悪い。
あいつのせいでギャラリーまで騒ぎ出した。
後ろからは三雲くんを舐めたような声。
プツンと私の中の何かが切れた。
「あまりにも調子こいとると足元すくわれるよ。」
自分でも驚くほど低い声が出る。
その様子を見て緑川は顔を強張らせる。
こういうやつを見ているとじれったく思える。
もういっそ私がこいつを倒そうか。
そんな風に思っていると、空閑くんが口を開いた。
ああ、こんなことになるならもっと早めに帰っておくべきだった。
空関くんや、私が求めていたのはこういうんじゃない。
もっと面白味のあるやつだ。
それについての嫌なリアリティーは望んでない。
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ピヨ丸(プロフ) - サさミさん» ゆで卵 (2017年11月23日 18時) (レス) id: 48f784300c (このIDを非表示/違反報告)
サさミ - サさミです。応援してます。私の作品でも是非コメントしてね。ゆで卵(笑) (2017年11月22日 21時) (レス) id: df5b65dd8b (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - めっちゃ面白いです更新楽しみにしてます! (2017年11月5日 19時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ丸(プロフ) - ありがとうございます。気付くのが遅くてすみません。更新は本当に遅いですが、それでもよかったら楽しんでいただけると嬉しいです。 (2017年10月31日 21時) (レス) id: 2c9238a28f (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - とても面白いです!これからも更新頑張ってください(´∀`)応援しています! (2017年10月24日 20時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピヨ丸 | 作成日時:2017年8月27日 13時