43 幸せのために ページ46
「私は幸せだったの。たくさんのきょうだいに、優しい父親。
そして今も幸せ。みんなといられると、幸せなんだ」
「…………」
「(人2)がいなくなるのは、私もさびしいよ。でも、本当にさびしいのは、(人2)だよね。
だって、(人2)も私と同じでしょ?」
(人2)はただ、ふてた様に下を向く。
「きっと(人2)は、エイリア学園としてのみんなとどこかで出会うことになる。そのときはつらいと思う。____だって、みんな敵だから」
「やめて! みんなは敵じゃない。大事な家族だ!」
「しーっ。
でも、きっと、きみを連れ戻そうと、誰かがやってくる。例えば、グラン様とかね」
私はわざと(人2)を揺るがすようなことを言って、反応を見ている。
いや、愉しんでるんじゃないよ。そーゆー悪趣味はないから。
(人2)の気持ちを確かめている。最終確認だ。
グラン様____ヒロトの名前を出すことで。
(人2)は肩をいからせたまま、一瞬。目をみはった。
すぐに難しい表情に戻すけど、僅かな隙は見逃さなかった。
「ソチス様がいなくなったら、グラン様はきっとジェネシスの最高位に立つ。グラン様だけじゃなく、バーン様やガゼル様だってきみを狙ってる。もちろん、きみのことが大事だから」
「それは……どういう意味なの」
「言って欲しい?」
「(人1)は、いつもそうだ」
「え?」
「理屈だか屁理屈だか分からないことこねまわして、ひとを混乱させて、揺さぶって、結局言いくるめちゃうところだよ!」
「私はそれが長所だと思ってる。口が立つって、いろいろ有利だよ」
私に対して怒りをぶつける(人2)に、少し笑って見せた。
だいじょうぶ。(人2)。つらいことがあっても、きっと(人2)が笑顔になれる結果になる。
「(人2)は、曲げないでしょう、自分の意見」
「もちろん。私は決めた____」
「なら、(人2)はつらいことがあっても、がんばる子だよね」
「なんでそこで子ども扱いするかなぁ……。私、(人1)の子どもになったつもりない」
「ごめんごめん。からかって、試して。
でも、私はエイリア学園の一員として、(人2)について行くことはしない」
「それは、……もう分かってる」
「瞳子姉さんのところに行くんでしょ」
お父さんの実子である瞳子姉さんが、反乱の準備をしているらしいことは、噂としてそれとなくみんなに伝わっている。
(人2)は、お日さま園関係以外、大してツテはないはず。
だとしたら、もう瞳子姉さんのところしかない。
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阿津(プロフ) - †びた†さん» あたたかいお言葉、ありがとうございます!力が出そうです。これからも更新は遅いと思いますが、頑張って仕上げていきます。 (2017年3月7日 23時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
†びた† - ゆっくり自分のペースでやっていただいておkですよ。待ってます! (2016年8月6日 15時) (レス) id: eb2164e30c (このIDを非表示/違反報告)
阿津(プロフ) - ルミナさん» 遅くなってしまってすみません。わわー、コメントなどなど嬉しいです!ありがとうございます(・∀・*) (2014年11月28日 22時) (レス) id: cf0739512b (このIDを非表示/違反報告)
ルミナ(プロフ) - 設定が好きです。なんか、面白い設定だな〜っと よければ私の小説も^^ (2014年11月14日 0時) (レス) id: 96405fb6db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:阿津 | 作成日時:2014年6月17日 21時