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Aの講義が終わる頃、Aの通う大学へ着いた。やっぱり大学っていうのはいつ来ても広いなぁと思いながらいつもAが利用しているであろう建物へ向かう。丁度よく講義終わりの学生が出てきていて、待っているとAもすぐに出てきた。俺を見つけるとあ!と言わんばかりの嬉しそうな顔をして駆け寄ってきた。

「へへ、今日の服可愛いねってみんな褒めてくれた。」
「ふーん、男?」
「友達!女の子だよ…あれ、もしかしてもしかして拓ちゃん嫉妬ですかぁ〜?」
「バカちげぇよ。Aも大学生だし彼氏の1人や2人……」
「2人いたらマズいでしょ!もう、ほら行こ?」

そう言って歩き出す。お腹すいたな、と無邪気に笑うAを見て、やっぱり好きだなぁと実感させられた。大学で悪い虫が寄ってこないかちょっぴり心配になったりもした。



その後飯も済ませ、いくつか服屋を見て回った。自分の服を見るのは勿論楽しいけど、Aの服を見て回るのは楽しい。嬉しそうに探す姿も見ていてたのしいし、何より女性の服でも魅力的なデザインが多い。

「これとこれ、どっちがいいかな?」
「んー、着てみて。あとこれも。」

Aに似合いそうな花柄のワンピースをさり気なく渡して試着室に向かわせる。

「どう?」
「んー…次」
「…おまたせ、どう?」
「うん……次」
「こ、これは…どうかな?」
「うん、いい。」
「ほんと!?わたしも拓弥が選んだやつがいい!」
「ん、早く着替えてきな」
「うん!」

ニヤけそうになるのをぐっと堪えて店員にあの服を用意してもらうようにして会計を済ませる。丁度Aが着替えを済ませて戻って来たので手を引いて店を出る。

「あの、拓弥。わたしあの服買いたいんだけど」
「ん。もうあるよ。」
「えっ待って、お金払うよ!」
「いーの。その代わりこれ着てまた出かけよ?」
「行く!ありがとう!!」

満面の笑みでつないだ手をぶんぶんと振るAを見て自然と笑みがこぼれてしまう。その後も幾つか服屋を回って夕食を済ませ、帰路についた。


「ねぇ、たくや……」
「ん?」
「…なんでもない」
「え、何教えてよ」
「んーん、おしえな〜い。ふふっ」
「何だよ〜」

拗ねたふりをして立ち止まると小走りで逃げるように前を歩いていたAが振り返った。俺に寄ってくるといたずらっぽく俺の顔をのぞき込む。街灯と暗くなり始めた空に何だか体が勝手に動いていた。

気づいたらキスしてた。

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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