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一人暮らしの冷蔵庫の中身の少なさに文句をすごく言われたがなんだかんだあるものでご飯を作ってくれた。
「ごちそうさまでした。」
「お粗末さまでした。」
「風呂沸いてるから、後で入ってこいよ」
「うん、ありがとう。でも拓弥明日も仕事だよね?」
「俺は休み」
「え、いいなぁ〜私も明日大学休んじゃおうかな…」
「Aが大丈夫ならいいけど、休めるもんなの?」
「まぁ、1日くらいなら…午前だけだし…」
「午前だけなら行けば?そしたら迎えに行くし」
「ほんと!?じゃあそうする!」
そう言って食器を下げると洗い物をすると言ったAを風呂に向かわせた。Aの大事な服は全部俺の家に置いてある。だからこうやって俺の家に来る時は必ず次の日おしゃれをするし、楽しそうに出かけていく。もうずっとうちにいればいいのにと思うが、いつもその一言が言えない。この気持ちを伝えたら、なんだかAが離れて言ってしまう気がしていつまでも頼れる幼馴染ポジションでいいと思ってしまうのだった。
「拓弥、お風呂ありがと。」
Aがタオルで髪を拭きながらリビングに戻ってきた。俺のスウェットだから丈が合わなくて上も下もダボダボになってしまっている。その姿にいつもドキッとするのは秘密。
「いつも思うけど、拓弥ってこうするとおっきいよね」
「Aが小さいだけだろ」
「あー!違いますぅ〜!これでも平均はあるし」
「はいはい、そういうことにしといてやるよ」
丈の余った袖で俺の頭を叩いてくる。なんだか急にすごく抱きしめたくなったけどぐっとこらえてソファから立ち上がった。
「俺も入ってくるから、髪乾かしとけよ」
「…うん」
ちょっと寂しそうに返事をするAが気になったが風呂から出たら話を聞こうと思いいつもより早く風呂を済ませた。
リビングに戻ってくるとAがソファに横になって寝ていた。手にはドライヤーを持ってるし、きっと髪を乾かそうと思った途中に寝たんだろうな。自然に笑いが漏れた。
「A、起きて。ほら髪乾かすぞ。」
「んー、拓弥?」
「ちゃんと座ってねえと危ないから」
「んー…」
眠そうに目を擦りながらもソファに座るA。ドライヤーを奪うように受け取るとAの髪を乾かし始めた。その音にやっと起きてきたのかぐらぐらと揺れていた首がしっかりとすわってきた。
「何でかわかんないけど、拓弥に乾かしてもらうと髪さらさらになるんだよね。」
「そりゃ良かった」
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時