検索窓
今日:15 hit、昨日:9 hit、合計:44,622 hit

.04_02 ページ25

.02



一人暮らしの冷蔵庫の中身の少なさに文句をすごく言われたがなんだかんだあるものでご飯を作ってくれた。

「ごちそうさまでした。」
「お粗末さまでした。」
「風呂沸いてるから、後で入ってこいよ」
「うん、ありがとう。でも拓弥明日も仕事だよね?」
「俺は休み」
「え、いいなぁ〜私も明日大学休んじゃおうかな…」
「Aが大丈夫ならいいけど、休めるもんなの?」
「まぁ、1日くらいなら…午前だけだし…」
「午前だけなら行けば?そしたら迎えに行くし」
「ほんと!?じゃあそうする!」

そう言って食器を下げると洗い物をすると言ったAを風呂に向かわせた。Aの大事な服は全部俺の家に置いてある。だからこうやって俺の家に来る時は必ず次の日おしゃれをするし、楽しそうに出かけていく。もうずっとうちにいればいいのにと思うが、いつもその一言が言えない。この気持ちを伝えたら、なんだかAが離れて言ってしまう気がしていつまでも頼れる幼馴染ポジションでいいと思ってしまうのだった。





「拓弥、お風呂ありがと。」

Aがタオルで髪を拭きながらリビングに戻ってきた。俺のスウェットだから丈が合わなくて上も下もダボダボになってしまっている。その姿にいつもドキッとするのは秘密。

「いつも思うけど、拓弥ってこうするとおっきいよね」
「Aが小さいだけだろ」
「あー!違いますぅ〜!これでも平均はあるし」
「はいはい、そういうことにしといてやるよ」

丈の余った袖で俺の頭を叩いてくる。なんだか急にすごく抱きしめたくなったけどぐっとこらえてソファから立ち上がった。

「俺も入ってくるから、髪乾かしとけよ」
「…うん」

ちょっと寂しそうに返事をするAが気になったが風呂から出たら話を聞こうと思いいつもより早く風呂を済ませた。



リビングに戻ってくるとAがソファに横になって寝ていた。手にはドライヤーを持ってるし、きっと髪を乾かそうと思った途中に寝たんだろうな。自然に笑いが漏れた。

「A、起きて。ほら髪乾かすぞ。」
「んー、拓弥?」
「ちゃんと座ってねえと危ないから」
「んー…」

眠そうに目を擦りながらもソファに座るA。ドライヤーを奪うように受け取るとAの髪を乾かし始めた。その音にやっと起きてきたのかぐらぐらと揺れていた首がしっかりとすわってきた。

「何でかわかんないけど、拓弥に乾かしてもらうと髪さらさらになるんだよね。」
「そりゃ良かった」

.04_03→←.04_01



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。