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太陽が帰って静まり返った病室で、いつもは明日も来ると言ってくれる太陽が何も言わずに帰ってしまったと気づいた。太陽に嫌われちゃったな、もう会いに来てくれない気がする。堪えていた涙が溢れ出た。立ち上がろうと無理をしたらやはり脚にうまく力が入らず大きな音を立てて車椅子から転げ落ちた。

「ど……して、どうしてわたしなの…ッ」

もっと平凡な生活を送るはずだったし、太陽をこんなに怒らせることもなかった。やり場のない怒りや思い通りに動かない脚への悔しさに看護婦さんが部屋を巡回に来るまで床の上で泣き腫らした。

看護婦さんは優しく私の話を聞いてくれると、頼ってほしいって言ってるんだから頼ればいいのよと言ってくれた。やっと落ち着いて明日太陽に謝ろうと思った時にはすっかり夜になっていて、明日も太陽が来てくれますようにと祈るしかなかった。




次の日、なんとなくソワソワしながら一日を過ごしたが太陽が来ることは無かった。昨日の今日で不安だったけど、ツアー前できっと練習もお仕事も忙しいんだろうなって思うことにした。

そんなことを思いながら太陽が来なくなってから3日が経とうとしていた。いよいよこの不信感は確信になってしまう。きっともうわたしのことなんて嫌いになってしまったんだろうな。リハビリから帰る途中、なんだか視界がぼやけてきた。鼻の奥がツーンとするし、目も熱くなってくる。どうしてあんな酷いこと言って太陽が許してくれるなんて思ってたんだろう。自分の病室のドアを開けると大好きな声がした。



「A…?」

そこに居たのは紛れもない太陽だった。自分が泣いたままだったということも忘れてそこに居る太陽を見上げる。

「あ…た、太陽、わたし…ごめんなさい、ごめんなさい」

頭が真っ白になって、思わず太陽に抱きつこうとしたけど脚が言うことを聞かなかった。立ち上がって歩こうとしたけど失敗に終わり、見事に車椅子から転げ落ちた。

「ちょ、A!落ち着きや。俺はどこにも行かんよ…」

抱き抱えるようにしてそのままベッドに座らせてくれる。そのまま太陽は離れようとしたけどどうしても今離れたくなくて、そのままぎゅっと抱きしめた。

「俺の方こそ、おっきい声出したりして、ごめんな…?」
「わたしの方こそ、もう来ないでとか、太陽なんかに分かるわけないとか…酷いことばっか言って…」
「その分Aは頑張ってたやん、何もAは悪くないよ。」

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設定タグ:超特急 , 短編   
作品ジャンル:恋愛
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なるせ(プロフ) - すけさん» ありがとうございます(;;)励みになります! (2018年10月4日 22時) (レス) id: a45752a8c7 (このIDを非表示/違反報告)
すけ - 全部面白いです!! 更新待ってます!! (2018年10月3日 21時) (レス) id: 315a3c6654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるせ | 作成日時:2018年8月25日 5時

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