ツイステッドワンダーランド短編集-2nd-

【ポムフィオーレ寮・ヴィル】-毒の君-first※一人称 ページ11

※夢主さまside

ここに来てから色々な事を体験した。

リドル先輩やレオナ先輩、アズール先輩、ジャミル先輩のオーバーブロット。

そして不定期に見る不思議な夢とミッキーと名乗る存在。

ウインターホリデーも終わって次は全国魔法士養成学校総合文化祭。

なんとなくオーバーブロットについて法則性が分かって来た。

今まで見てきたグレート・セブンの夢が、オーバーブロットを引き起こしてきた人の寮を表しているのだとしたら、今回出てきたのはグレート・セブンの一人『美しき女王』。

という事はポムフィオーレ寮が怪しいかも。

なんて事を考えていたら案の定、眠れなくなってしまった。

はぁ……少し外でも歩きに行こうかな。

元の世界だと無暗に出歩いたら危ないけど、ここならみんなは寮にいるはずだし大丈夫だろう。

グリムを起こさないようにそっと表に出る。

風が頬を撫でて気持ちいい。

いつもは賑やかだけど、この時間帯はシンと静まり返っている。

「こんな時間に出歩くなんてイケナイ子ね」

不意にかけられた声に体が大きく震えた。

それにこの声って……。

振り向くのが怖いけど、振り向かなければ何されるか分からないし。

おそるおそる振り返ると制服を身にまとったヴィル先輩が立っていた。

「ヴィル、先輩……」

次にオーバーブロットする可能性が高いポムフィオーレ寮の寮長と会うなんて。

しかもこの人とあんまり話した事ないんだよな……。

「アンタは確か……オンボロ寮の監督生だったわね」

「は、はい……」

ヤバいヤバい、どうしよう。

話した事ない人と二人きりは非常に気まずい。

それにヴィル先輩って美に対して厳しい人だよね。

どうしよ、私全然そういうの無関心だし罵倒されるっ。

「ダメじゃない、こんな時間に出歩いちゃ……。アンタ、自分が女だって自覚あるの？」

「え？」

想像していなかった言葉に私は思わず、彼を見る。

さすがモデルをやっている事だけの事はある。

顔も綺麗で体のラインもシュッとしていて見惚れてしまう。

あれ？

なんで先輩に女だってバレてるんだろう。

いやでも今まで関わってきた人にはバレてきたし、仕方ないのかな。

「呆けた顔してるんじゃないわよ。寮まで送ってあげるから着いてきなさい」

「あ、はい！」

私はヴィル先輩の少し後ろを歩いた。

-To be continued-

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