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「はぁ……」





ヒマだ…


いや、正確には全然ヒマじゃねーけど。

爺から言われた覚えなきゃなんないことは

まだまだ山ほどある。


…でも、全然頭に入ってこない。


決められたセリフなら長くてもそれなりに憶えられっけど

この国の歴史だとか、周りの国との関係だとか

そーゆーのはおれの最も苦手とする分野で…


けど、だからって他にやることなんかなんもないし…





「せめて紙と鉛筆でもありゃなぁ〜」





ヒマつぶしに絵でも描けんのになぁ〜


試しにさっき爺に聞いてみたら

『カミ?エンピツ?何ですかなそれは?』

だって。

ココには紙と鉛筆もないのかね?

つーか、ココってやたらハイテクなんだよな。


このお城だって、優雅な作りしてっけど

あの研究室に行くまでの厳重なドアのロックとか

すげかったもん。


あーあ、外はあんなに天気いいのになぁ。。。





青空の広がる窓の外を見てふと思った。





ちょっとくらいなら、外でてもいいんじゃね?

気分転換も必要だよな。

うん、そうだよ。

ずっと閉じこもりっきりでこんなことしてたって

なんも頭に入んねーもん。


だったらこの国のこと知るためにも

外でたっていいよな?


オシッ!


思い立ったらすぐ行動だ!!








城の外には、案外あっさり出れた。

あの厳重なロックが

あっちこっちにあるのかと思ってたから

ちょっと拍子抜けだ。

そりゃそうか?

別におれ、捕まってるわけじゃねーもんな。





それにしても、すげぇ広い庭だな!

いやこれ庭っていうのか?

外に出れる門どこだよ?!





あてもなくウロウロしてみたけど

城壁らしきものも見えてこない。


どーなってんだよココ?!

やっぱフツーとは違うのかな?


あーなんか疲れちった……

ずっと部屋にこもりっぱなしだったからなぁ…





歩き疲れて

ちょうどいい具合の平べったいデッカい石に腰を下ろした。


ポカポカと気持ちのいい陽射しと

慣れない頭を使ったせいか

すぐに睡魔が襲ってきて

おれはあっという間に眠りに落ちていった。


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作者名:author | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年6月1日 17時

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