太刀川隊のケンカップル事情 4【出水 公平】

喧嘩 157 ページ32

『‥‥‥っ、嫉妬なんてしません。出水が好きなようにしたらいいんです』


「Aっちは、それでいいの？出水くんがチョコレート貰ってて嫌じゃないの？」



『‥‥‥それは』



「少しくらい束縛しないとだめだよ〜」




励まされて、背中を押された。
でも言えるわけがないじゃないか。


それに、もうチョコなんていらないでしょ。



「Aっちは出水くん大好きだね〜」



『やめてください‥‥』



「違うって否定しない所も可愛いなぁ〜」



『やめてくださいって！！』



「顔赤いよ〜？」



パシャとシャッター音が聞こえる。
目の前で携帯をこちらに向けている先輩。


「送信！」


『‥‥‥誰に何をですか』


「出水くんにAっちが照れてる写真を‥‥」


途端私は奇声を発した。
声にならない声。


『柚宇先輩だから、怒るに怒れないぃ‥‥‥！！』


恥ずかしいし、すっごく嫌だよ。
でも先輩。しかも可愛い。こんな子に怒鳴れるわけがないじゃないか。


「あのね、メッセージ付きで送っておいたんだよ」


そう言って見せられたメールの一部。


“今ならAっちの照れ顔見放題だよ〜”


何てことをしてくれたんだ。
逃げなきゃ。絶対やつはここに来る。

私を馬鹿にしに必ず来る。

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