太刀川隊のケンカップル事情 4【出水 公平】

喧嘩 139 ページ13

子供達は快く受け入れてくるやつ、人見知りでモジモジしているやつなどがいた。
人数は思ったよりも多くて、正直驚いた。
この数を相手にしていたあのおばあさんも、彼女もすごいと思う。


『茜ちゃん、祐也は？』

「裕也くんは部活で帰るのが遅くなってるみたいだよ」


茜ちゃんという中学の制服を着た女の子が言った。
裕也はどうやらサッカー部らしい。

ここの子供達に話を聞くと、運動も勉強も祐也お兄ちゃんが1番なんだって。




『今日は私はすることがたくさんあるから、このお兄ちゃんの言うこと聞くんだよ。わかった？』


彼女がそう言うと、みんなは元気よく返事をする。


「お兄ちゃん！遊ぼうよ！」


「私も私も」


子供と遊ぶなんていつぶりだろう。
俺には姉しかいないから、下の兄弟がいたら‥‥なんてあまり考えなかった。

子供は元気だから、鬼ごっこもするし、ゲームもする。
その度チラチラと彼女を見るが、少しだけ顔色がよくなってきた気がした。


『‥‥‥出水』


「ん？」


『悪いんだけど、祐也迎えに行ってくる。もう外暗いし、危ないかと思って‥‥』


「何言ってんだ。俺がここの子供の面倒みるって引き受けたんだ。俺が行く」



靴を履いて、外に出る。
冬だから道は真っ暗で、街灯に頼るしかなかった。


俺が通っていた学校とはまた別の場所だから、中に入るわけにもいかず、校門の前で待つ。

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