十四話 ページ14
「女、名前を覚えて欲しいと言ったな」
「......」
「____」
___名前を言おうとした時、両面宿儺の目には己の腕が2本飛んで見えたことだろう。
自身の腕が本来あるべきところ非ず、空に浮いて見えるとは、すなわち私が取ったことを意味する。
察しのいいハンターが居たならば、即座に『発』と気づいたことだろう。
「あ"?」
機嫌の悪い低い声が耳に届く。
今度は切れた腕をじっと見始めた。かと思えば、笑いが堪えきれないとでも私に見せるかのように肩が揺れていた。
「っ、く......ハハハハハハハハハハハ!!!」
壊れたように笑い始める男に一種の恐怖心が煽られる。
漫画だとまだ可愛げのある悪役だと思っていた。
でも目の前にしたらビリビリと心臓にまで『恐ろしい』が響いてくる。
頭の中では既に警報が鳴っているけども、それでもいいから......!!
「吠え面かかせてやる......!」
「やってみろ」
同時に地を蹴って、お互いの『圏内』に入り込むと顎に向けた拳は私の方が早く、先にヒットする。
両面宿儺は、拳で強制的に顔を上を向けられたにも関わらず、"素の力で"素早く私の腹に拳をねじ込みに来た。
オーラを大量に使ってやっと追い付ける俊敏さに、敵ながら圧倒的ハイセンスを感じた瞬間、ねじ込まれた腹が背中に付いたかと思うくらいぐぐっと内側に食い込む。
足に力を入れて、その場に留ろうとするも威力がバカでか過ぎて少しだけ後ろに下がってしまった。
瞬時に堅をしていなかったら、きっと吹っ飛ばされて死んでいた。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください楽しみにしてます (2022年8月30日 1時) (レス) @page18 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - この展開からどうなるんだぁー。楽しみすぎて夜しか眠れない。 (2022年8月28日 21時) (レス) @page16 id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 面白くて好きです!更新は体に気をつけてです! (2022年8月27日 19時) (レス) @page12 id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:_ | 作成日時:2022年8月24日 22時