十三話 ページ13
隠を解いて、生きていたあの姉さんのように間を詰めた。
「なんだお前もつまらないな」と両面宿儺が吐き捨てながら威力が目に見えるほどの斬撃が来る。
……が、途端に堅で防御を固めたのでかすり傷で終わる。
それを見た両面宿儺は目を見開いて______、
ニヤァと不気味な笑みを浮かべた。
ブワァッと鳥肌が出来た腕をさすりながら、即座に後ろへと飛んで悪寒の原因を見た。
両面宿儺が高笑いして「女」の「お」を言っている途中で、また近づいてオーラを込めた右手を両面宿儺の顔に打ち付ける。
当たった瞬間、今度は両面宿儺の胸元を蹴ってまた後ろへと飛んだ。
両面宿儺は距離なんて関係ない攻撃をしかけてくるが、作っておいて損はないだろう。
喋っているところを遮られたのがよっぽどイラついたのか、額に青筋が立ち、口調の荒らさはヒートアップしていた。
「女」
「私の名前、Aなんですけど」
「ハッ、阿呆が。どうせ、覚えなくても同じだろう」
「ああ? 自分は両面宿儺って覚えて貰ってるくせに自分と戦った者の死くらい覚えておかないの? それとも馬鹿なんですかぁ?」
ぴきり、と男の青筋が増える。
「くだらん。覚える必要のない人間を覚えず何が悪い」
ぷっちーん! と今度は私のキレた音が脳内で響く。
「全部だよ!!!!」と私は叫んだ。
あっちはハエがうるさいとでも言うかのように面倒くさそうな顔をしていた。
それが目の前で死んでしまった恩人達をまた侮辱しているように見えた。
そうだ、名前はまだ決めてないアレを発動しよう。
私が深呼吸をすると何を思ったのか、両面宿儺は出しかけていた腕をすとんと下ろして、こちらをじっくり観察し始めた。
両面宿儺は今まで以上に真面目な顔になっていた。
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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください楽しみにしてます (2022年8月30日 1時) (レス) @page18 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - この展開からどうなるんだぁー。楽しみすぎて夜しか眠れない。 (2022年8月28日 21時) (レス) @page16 id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 面白くて好きです!更新は体に気をつけてです! (2022年8月27日 19時) (レス) @page12 id: 6bb8b6637d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:_ | 作成日時:2022年8月24日 22時