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颯一郎side
3年生になって、すごく勇気を出してAちゃんに伝えた
『Aちゃん、俺高校は県外行くわ』
「うん、知っとったよ」
彼女はとてもあっさりしてて
流石にちょっと凹んだ
だけど
「颯ちゃんはもっと大きくなるもんね」
「頑張ってたの知っとるし」
「濡れた犬みたいな顔しやんでよ」
そう言って俺の頭をくしゃくしゃに撫でる
『濡れた犬ってなに』
「濡れた犬は濡れた犬、大型犬ね」
「私も寂しいけどさ、その分今年、大切に過ごそうね」
なんて、俺の機嫌を取るのが上手な彼女
来年からは会いたくても気軽に会えない環境になる
でもそのあとは、また一緒にいれる未来が
待ってれば良いな、なんて思ったり
そうなるためにも来年から頑張らなきゃなと改めて感じた
中学3年の4月
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作者名：陸 | 作成日時：2023年11月6日 21時
