恋に師匠なし

25.変人の由来 ページ25

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新入生の時、ある先輩が私に変人というニックネームをつけた。


"変人"


誠実とは正反対にいた生徒が、ある日を境に人が変わったように文学に励むようになったというのが由来だった。


きっと洋書に関するエピソードがよりそのニックネームに説得力を与えたのだと思う。

受験レベルの英語と英語の洋書を読むことは全く次元の違う話だが、当時の私はなにかムキになっていたのか、洋書を読まなければいけないという固定観念にとらわれて、狂ったように英語の勉強をしていた。

当時は教授と先輩にたくさんお世話になったな…


まあ、そんなことがあってよっぽど難解な洋書以外は読めなくもない…というのが私の現状だ。



にも関わらず、先程彼が洋書で勉強したいと言った時、どうして英語がわからないフリをしたのかというと…


洋書を読みたいという新入生に感心すると同時に、私が当時、教授と先輩にお世話になった…というよりたくさん迷惑をかけたことを思い出したからだった。


他人に自分の知識を教えるのは、面倒だ。


私は図々しく教えて貰った側の人間だけど、反対の立場になって考えてみたら本当に面倒くさいと思う。







ドヨン「先輩…どうして教えてくれなかったんですか？」

「いや…」

ドヨン「洋書は難しいから読まないって言ってませんでしたか？」

「はは…」

ドヨン「正直に話したら、僕がなにか先輩に面倒かけると思いましたか？」



この子…察しがいいね…

表情を見る限り、あまりいい気はしないようだ。



「いや…そうじゃなくて…本当に私、大したことないから」

ジフン「洋書ばっかり読んでた奴が何言ってんだよ〜」



パクジフン…口を閉じろ…



ドヨン「じゃあ…先輩に頼みたいことがあるんですけど…」

「頼み？」

ドヨン「はい！面倒じゃないなら、お願いしたいです」



あ……




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