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案の定 ゴリラには怒られたけど
正直 私の頭の中は今日の朝起こったことで
頭がいっぱいで お説教も耳に入ってこなかった
休み時間
机の上に肘をついて ぼーっとしていると
太輔が横にやってきた
「A 心配したよ
また寝ちゃったの?
それにしても遅かったね」
「えっ あ、うん そうなの
ごめん 心配かけて 」
「授業 はじめるぞー」
ゴリラが教室に入ってきて
みんながそそくさと自分の席へと戻る
「少し異例だが 朝のホームルームで
紹介できなかったから私の授業内で紹介する
転校生だ はいってこい」
『転校生』というワードに一気に教室がザワつく
ガラッと扉を開けて転校生が入ってきた
!?!!!?!!!?!?
まぎれもなく
朝のあの男の子だった
転校生だったの?!
っていうか同い年?!!?
「 北山宏光くんだ
みんな 仲良くするように」
「北山宏光です よろしくお願いします」
ありがちな言葉と少し頭を下げるだけの
サラッとした挨拶
「慣れないうちは大変なことも多いだろうから
みんな色々教えてやってくれ
席は 一番後ろのあの空いてるところに座ってくれ
とりあえずは藤ヶ谷 色々頼むぞ」
「はい 分かりました」
太輔の真後ろの席に
北山くんとかいう彼が腰掛ける
「俺 藤ヶ谷。
学級委員やってるから なんか
困ったことあったら何でも言って
よろしく」
振り向きざまに太輔が
声をかけたが
チラッと太輔を見ただけで
北山くんは何も言わなかった
……なによあの人
やっぱり相当感じ悪い。
心の中では彼に対して毒づいていたが
実際頭の中では朝に見た 小さな微笑みが
フラッシュバックしていた
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作者名:Keiko | 作成日時:2015年10月17日 12時