~11 太輔side~ ページ11
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〜太輔 side〜
あれほど寝るなと言ったのに
案の定 Aは寝てしまったのか
ホームルームにAの姿は無かった
それにしても遅い……
いつもだったらホームルームの途中くらいで
謝りながら入ってくるのに
今日はホームルームが終わった今も来ない……
そわそわとAのことを考えながら
時計を何度も見ていると1時間目が始まる直前に
Aが入ってきた
でもなんだかいつもと様子が違う
ふわふわしてるというか
心ここに在らずというか
声をかけてみても
何も言わないから
俺からも特に問いただすことはしないけど
なんかあったのか……?
「授業 はじめるぞー」
ゴリラが教室に入ってきて
俺もAを横目にしながら自分の席へ戻った
「少し異例だが 朝のホームルームで
紹介できなかったから私の授業内で紹介する
転校生だ はいってこい」
ガラッと扉を開けて転校生が入ってきた
黒髪で小柄
一見 歳下かと思うような幼い顔
小柄ながらもなにかスポーツでもやってるのか
しっかりとした身体つき
その時 斜め前からガタッと机の音がして
音のする方を見てみたら
Aがやけに驚いた表情をしていた
…なんだ?知り合いか…??
「 北山宏光くんだ
みんな 仲良くするように」
「北山宏光です よろしくお願いします」
味気のない挨拶
顔はずっと無表情のままだ
まだ慣れてないからっていうのもあるんだろうし
こういう時は俺から話しかけて仲良くなった方がいいよな
先生にも頼まれたし 最初が肝心だ
俺の後ろの席を指定された北山ってやつが
腰掛けた瞬間を狙って
振り向いた
「俺 藤ヶ谷。
学級委員やってるから なんか
困ったことあったら何でも言って
よろしく」
笑顔で目を見て感じのいいように声をかけたものの
…………無視か
まぁ サバサバしてるタイプなのかもしれない
ゆっくり仲良くなってけばいいか
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作者名:Keiko | 作成日時:2015年10月17日 12時