三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

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　時間を知らせる携帯のアラームが鳴り、ノールックでそれを止める。ベッドでうつ伏せに倒れていた私は、そのまま動かない。

　殺崎A、撃沈しています。

　今日はパーティーの警備をする日。
　あれから問題なく重役と知り合い、パーティーの招待まで漕ぎ着けることはできた。だがその代償は少し大きかったようだ。
　午前中2〜3時間はN Bakery、午後と隙間時間に翻訳仕事。夕方から早朝にかけて組織の任務。穴埋め任務で海外に行き、自分の任務で日本に戻る。時にはバーボンの同行。あと墜落して以降ずっと不機嫌なジンのご機嫌取り兼同行。

　半分以上組織のせいで多忙なのだが、今回の翻訳仕事のせいで隙間の休憩時間がすべて奪われ、私の体は限界だと悲鳴を上げていた。


　はぁ……。桜間衣都羽はガッツリ変装だから、さっさと準備しないと……。あ〜なんで管轄外の事でこんな労働しなきゃいけないんだ。ていうかただの人数合わせじゃん。行かなくても良くない？


『A、時間ですよ。早く仕度してください』
「はっ！？』


　本当に意識を手放してしまおうかと思った瞬間、バーボンの声が聞こえ、ガバっと起き上がる。部屋のどこを見回してもバーボンの姿はない。というかAと呼ばれた。


「……り〜つ〜！」
『おはようございます！』


　犯人は、バーボンの声を真似た律だった。変な冷や汗を掻いたがおかげで目は覚め、再び体が動かなくなる前に仕度を開始する。
　サボろうと思えば防衛省の方は問題ないだろうが、招待してくれた重役との約束をぶっちするのは、桜間衣都羽の信用問題に関わってしまうため、結局行く以外の選択肢は残されていない。

　変装はマスクを被る変装術。ベルモットにも教えてもらったが、変装術は元々できたし、誰かの顔を真似るとかじゃないから簡単だった。
　兄弟子は人の皮肉を使って変装する技術を身に着けていたが、私は自分の皮を剥ぐ勇気などなかったのでマスクにした。私たちを見ていなかった師匠はそんなこと知らないだろうけど……。

　声はある程度変えられるが、盛永詩の変装と同じく、分かる人が聞けばすぐに分かってしまうので、律が変声期の代わりをしてくれる。
　口の中にマイクとスピーカーを仕込み、私が小声で話した言葉を律がスピーカーから流す。
　私が大きな声で話すと言葉が二重になって聞こえてしまうため、そこは気を付けなければならない。




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