三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

piece288‐‐仮本名 ページ38

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　とある日、防衛省から仕事が回ってきた。それは別に構わない。潜入しながら他の仕事を受けるのは普通だから。ただ問題なのは、その仕事が本来私の……特別海外調査室の管轄じゃないということ。


『頼めるか？』
「イリーナさんは……」
『イリーナは別件で海外に出てるんだ』
「烏間室長は！」
『俺も別件で今から出るんだ。すまない、一般人として紛れ込むだけでもいいから、行ってくれないか？』
「……分かりました」


　烏間室長が本当に申し訳なさそうに言うため、仕方なく引き受けることにした。潜入中だから管轄外の仕事を引き受けるのは避けたかったんだけど……。
　仕事内容は近日行われるパーティーの警備。なんでも、各重役たちが集まるパーティーらしく、防衛省から出す警備人数が足りないらしい。
　最近は組織の穴埋め任務で忙しいっていうのに……。

　さて、どうするか。

　各重役が集まるということは、組織が認知している人物もその中にいるという事。組織の構成員がいる可能性だって当然ある。
　そんな場所に防衛省として乗り込むのは自滅行為だ。変装は必須。

　招待状なしに入り込むことは容易だが、万が一何かが起き名簿を調べられた場合、怪しまれることになる。今から伝手を作ってちゃんとした招待客として入る必要があるだろう。
　だが殺崎Aの名前はもちろん、軽い変装しかしない盛永詩の名前も使えない。なら持て余してる桜間衣都羽を使うか。
　桜間衣都羽の仕事はフリー翻訳家。それを利用して重役と縁を繋げてみよう。

　まだ1週間時間はあるが、のんびりしていられない。
　さっそく私はパソコンを開き、防衛省が現状で把握しているパーティーの参加者一覧の中に、重役と繋がりのある翻訳仕事がないかを探した。

　該当するものと、それらをカモフラージュするための仕事を、いくつか引き受ける。
　重役と繋がる仕事だけを引き受けると、桜間衣都羽はどうしてもこのパーティーに参加したかったようだと、誰かが調べた時に怪しまれてしまうため、カモフラージュでいくつか別の仕事も引き受けた。この時期だけ一気に仕事を受け持っている、と不自然な要素ではあるが。


　受けた仕事を正確且つ超スピードでやって、個人契約したいと言われたらほぼ成功だ。
　あとは直接会った時、パーティーの付き添いに呼ばれるほど気に入られればいいんだから。




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