三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

piece287　〃 ページ37

.




　アイリッシュはここまでの経緯を聞いて考える。確かアイリッシュの時は、ジンへの復讐心が強くて戻る可能性はほぼないってみたんだよね。


「いいんじゃねぇか？ いくら情報を持って組織に戻っても、吐かされるだけ吐かされて殺されることくらい、キュラソーも分かってるだろ」


　まぁ確かに、簡単に戻れるわけないな。情報を売るだけで組織にまた戻れるなら、アイリッシュを防衛省の諜報員として送り込んでるだろうしね。


「じゃ、俺烏間さんと新さんに許可貰ってくるよ」
「おう、頼んだ！」


　取調室に3人を残し、俺は烏間さんに話をしに行った。烏間さんは少し渋っていたが、アイリッシュが監視に付くことを条件に許可してくれた。
　アイリッシュも元組織の人間ではあるが、今までの功績も考え信頼はあるし、アイリッシュならキュラソーを抑え込む戦闘力があるから、監視役に適任だろう。


「ねぇねぇ新、どうやって再会する？ いきなりわって出て驚かすか、僕らの存在を匂わせてから姿を現すか」
「匂わせてからだと先に予想されるのが少し癪だな。かと言っていきなりだと驚きに欠ける」


　烏間さんの次に新さんの所に来たが、湊さんと話し中だった。再会と言っていたし、恐らくAちゃんのことを話してるんだろう。


「でもAならすぐに情報処理できるから、いきなり目の前に現れても普通に驚いてくれるんじゃない？」
「偽物だと思われるだろうね」
「あ〜確かに。……で、何盗み聞きしてるの？ Shade1」


　話の区切りがつくまで待とうと思い隠れていたのだが、あっさりバレた。
　キュラソー加入の話をし許可をもらうも、2人はいつも通り興味なさげ。Aちゃん関連の事しか面白い反応は見せてくれない。

　陰の指示を取っているのは烏間さんだが、リーダー的な立ち位置にいるのは新さんな為、どんなに興味なさげな反応をされても報告しなきゃならない。ダメな時はちゃんと助言くれるしね。


　俺ら陰は死人だが、生きている。完全に元の生活へ戻れない奴もいるが、別の人間として外に戻ることは本当はいつでも可能だ。でもそうしないのは、俺ら全員、新さんと湊さんに助けられたから。
　その2人が最も会いたい人に会えないのに、助けて貰った俺らが先に自由の身になるなんて無礼なこと、したくない。
　だから俺達は2人と一緒に身を隠し、生活している。

　2人がAちゃんと再会できる、その日まで……。




.

piece288‐‐仮本名→←piece286　〃

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す