…だったのに【ポケモン剣盾】

いつも 稼ぎ ページ12

目を合わせると





お兄さんが悪い訳でもないのに

申し訳なさそうに口を開く





「船での爆発…記事には事故と書いてありましたが

本当はテロだったんですよ

その場に偶然キ、…いやジムリーダーがいたので

何とかなったらしいんですけど」





確かにテロが起きれば

あまり船なんか出したくはないだろう

乗客に何かあったら大変だし





「早くても１ヶ月後じゃないと

船は出ねぇらしいです」





１ヶ月か

まぁ、たまにはゆっくりするのも良いかもしれない

ガラルは始めてくる地方だから

飽きることもないだろう









『問題ないですね』





キッパリと言い切る私に

兄妹はぱちくりと瞬きをする





『急ぎの用事はもちろん無いですし

たまにはゆっくりするのも良いでしょう』





ゾロアークも賛成らしく

喉を鳴らした





「大丈夫？えと、お金とか」

『お金の心配は全く要らないから大丈夫』

「まさか株でもたしなんでるんですか」

『株ではないです』





詳しくは言えないのでスマホ関係と言っておいたが

あまり納得して貰えなかった









『すいませんお二人でジャンケンして貰えません？』





変な顔をしながらジャンケンを始めると

マリィが勝利したので





『これ、先月の稼ぎ』





マリィだけに見えるようロトムに頼めば

一瞬固まり、頑張って桁を数えている





「アニキ…Aヤバいよ」





思わず笑ってしまったのは許して欲しい

マリィの顔が強ばって面白いのだから









『勝手に見せてあれだけど…内緒で』





人差し指を口元へと運び

少しいたずらっ子のように笑う彼女は

何か惹かれるものがある









随分と気を許してくれたのだろう

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