…だったのに【ポケモン剣盾】

いつも １日 ページ50

あと１日









今日、外に出る気は無い

最後くらいこの家で過ごしたかった





テレビすらないこの部屋で

備え付けのソファに座り

時が流れるのを待つ





午後になり

昼食が消化されている頃





ピンポーンとベルが鳴った

マリィかと思い扉を開けるも









『…ネズさん』





それはまさかのネズさんで





「アフターヌーンティーでもどうです？」





最後の最後に貴方なんて…酷い

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





今日の紅茶会はいつもと少し違った

紅茶とは違う良い香りがする





『スコーン？…でしたっけ』

「えぇ、作り過ぎてしまったんです」





スコーンの隣には青と赤のソースが添えられている

確かスコーンは食べ方があったはずだ

上下にフォークを刺すとかなんとか





記憶の糸を辿りながら

フォークを下ろすとサクッと良い音が鳴る

もう既に美味しそう









『めっちゃ美味しいです』





お店にあってもなんの違和感もない

前から思っていたのだが

ネズさん料理上手過ぎではないだろうか





「なら、良かったですよ」









話が尽きることはない

色々な所を旅してした私には

ネタが沢山ある





ネズさんもマリィに関しての話は尽きないし

会話が途絶えることなんてまず無い









大丈夫





そう自分に言い聞かせ

会話を続ける





いつも通りだ

いつも通りに話して

いつも通りに笑う





大丈夫





私はちゃんと笑えている









毎回このお茶会は

夕日が沈む前に終わる





どちらかがそう言った訳でもないが

何となくそう決まっていた





いつも通りに席を立ち

いつも通りにネズさんがお見送りをしてくれる





いつも通りになら

気を付けてくださいね、と…見送ってくれる



















「また来て下さいね」









だけどいつともは違った





たまたま違ったのだと思い込むも

私はかなり動揺してしまいそうになる









『はい』









私は



















いつも通りにしか返せなかった

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