手合わせ ページ10
「九九七!九九八!九九九!千‼︎うわああああああああ!!!!!」
Aさんは中庭で素振りを千回こなして、終わった瞬間雄叫びと共に腕を押さえていた。辛そうだな…。
俺は道場でカナヲ相手に鬼ごっこという名の特訓を終え、中庭に居るAさんを見つけた。
「Aさん!」
「あ!炭治郎くん!」
元気ー?とこちらに向かって元気よく手を振るAさんが可愛らしく思えた。
先の任務では致命傷に及ぶ傷を負ったらしいが、無数の鬼を歌声で滅ぼし、その上煉獄さんや他の隊士の傷を癒したと聞いている。
人間離れした能力を持っているとは思えないなぁと考えながら手を振り返して居ると、背後から気持ち悪い視線を感じた。
「たーんじろー」
「うわっ‼︎善逸‼︎気持ち悪いな…」
多分善逸は、俺がAさんと仲良くしているのが恨めしかったんだろう。
「ねぇねぇ! 二人にお願いがあるんだけど 良いかな?」
「?」
俺は善逸と顔を見合わせて首を傾げた。
「じゃあ行くよー‼︎ てーい‼︎」
Aさんは、俺と善逸に手合わせをお願いして来た。いくら柱に相応しい強さの持ち主でも、病み上がりの身体に響くのではないかとヒヤヒヤしながらAさんの蹴りを腕で受ける。
と言うか、てーいって…
折れそうなくらいの脚力に少し泣きそうになる。
「Aさん‼︎俺にも一発攻撃をくださ〜い‼︎」
何故か自分を抱きしめるポーズで挑む善逸にAさんは笑顔で回し蹴りを食らわせると、善逸は嬉しそうに吹っ飛ばされていた。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年11月26日 14時