昏睡 ページ8
店の二階へ駆け上がると、窓の近くにAは倒れていた。
身体中には無数の傷があるようで、出血もしている。
頬にも…。
急いで脈を測ると触れたので、ひとまず安堵した。
(「鬼を倒せたんだな それよりも君が無事で本当に良かった」
「炎柱‼︎今医療班を呼んでいます‼︎隠も時期に到着するとの連絡がありました!!」
隊士の声があまり入って来なかったが「うむ!」とだけ返しておいた。
俺は傷だらけのAをそっと抱きしめる。
「すまないA 君は俺たちを守ってくれたのに
俺は君を守れなかった」
暫くしてAは蝶屋敷へと運ばれた。
胡蝶が言うには、今Aは眠って回復している状態なのだと言う。
胡蝶の部下であり、Aが仲良くしている子もとても心配そうにしていた。
「今日はもう遅いですし 煉獄さんは帰られますか?」
胡蝶の問いに、俺は首を横に振った。
「いや…今夜はAの傍に付き添っても良いだろうか?」
胡蝶は特別ですよ、とだけ残して病室を後にした。
朝の陽射しが眩しくて目を覚ました。
どうやらうたた寝してしまったらしい。
不甲斐ない!
「A」
Aの手を握り、Aの名を呼ぶと、微かに指が動いた。
「…!!!
胡蝶!!!!」
嬉しさのあまり胡蝶を呼びに行けば声が大きいのと大袈裟だと叱られてしまった。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年11月26日 14時