お風呂 ページ14
夕食を終え、風呂を沸かしていると、先程のAの言葉が頭を過った。
(「冨岡さんが見舞いに来てくださいました」)
宇髄がAを自分の嫁に誘うのはわかるが、何故冨岡が?
「わあ!!」
「!!!!」
余計な事をあれこれ考えていると、背後で俺を脅かしてきたAの気配をも感じ取る事すら出来なかった。
物凄く驚いてしまった!!!!!
「杏寿郎さんが驚くなんて珍しいですね!いつもなら「ははっバレバレだぞA!!」って気付かれちゃうのに」
Aが俺の真似をして心配してきた。
全く似ていないが、愛おしい!!
「あの…杏寿郎さん 一緒にお風呂に入りませんか? お背中流させてください」
急に何を言い出すかと思えば君と言う人は。
頬を赤らめて節目がちに言うAの頼みに拒否など出来まい。
「一緒に入るか!」
Aの顔がぱあっと明るくなり、嬉しそうにしていたが、俺の心は酷く動揺していた。
よからぬ事を考えないように心頭滅却する事にする。
想いを通わせた相手と言えど、口付け以上の事は未だAとはしていない。
俺が先に浴室に入ると、後からAが入ってきた。
手ぬぐいを前に1枚纏わせて居るだけなので安易に後ろを振り向けない!!
「杏寿郎さん お背中流しますね!」
緊張してますか?と尋ねるAに嘘は吐けない。きっと心音でバレてしまうだろう。
「緊張している Aは緊張しないのか?」
「しています でも杏寿郎さんをもっと知りたくて…その…ごめんなさい」
俺の背中を洗うAの手が震えていた。
俺はもう何も考えず、咄嗟にAを抱き締めてしまった。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年11月26日 14時