復帰 ページ13
私は蝶屋敷に運ばれてから5日目にして復帰を果たした。
炭治郎くん達より早かったのでとても驚かれた。
蝶屋敷を後にしようと玄関を出ると突然背後から声を掛けられた。
「おい！今度俺と勝負しやがれそこの女！めちゃめちゃ強ぇんだろ？総一郎と紋逸から聞いたぜ」
猪の頭を被っている威勢の良いこの子は確か伊之助くんだったかな？
そんな伊之助くんを炭治郎くんが叱り付けていて、なんだか面白くて笑ってしまった。
「良い同期だね！大切にしなよ」
またね、と私は三人に言うと杏寿郎さんの待つ屋敷まで全集中の呼吸で走った。
「速いぜ」
「Aさん きっと煉獄さんとあんなことやこんなこと」
「善逸やめないか！」
三人は私が見えなくなるまで送ってくれた。
屋敷の前には着流しを着た杏寿郎さんが立っていた。
見慣れない姿にドキリとする。
「A!!おかえり！こっちへおいで」
「ただいま戻りました 杏寿郎さん！」
私は杏寿郎さんに駆け寄ると不意に抱きついてしまった。
私の予想外の行動に、杏寿郎さんは眉を少し下げてよもや、と笑っていた。
やっぱり杏寿郎さんのお屋敷は居心地が良い。
お茶を淹れて夕食までの間、杏寿郎さんと談笑した。
「そう言えば 同期の蓮と 冨岡さんが見舞いに来てくださいました」
「冨岡が？そうか…」
(「あれ？なんだか…杏寿郎さんから怒っている様な音がする」)
私の言葉に杏寿郎さんは心なしかムッとした表情をした気がした。
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作者名：こあら。 | 作成日時：2021年11月26日 14時
