バレンタイン ページ4
3日後のCorso。
『ふぅ。これで、このページの一部だけ手を加えれば良さそうね。』
「…お、終わった…」
『まだ終わってないわよ。…でも、ごめんなさい。巻き込んじゃって』
んーっと伸びをして、安堵した様子を見せる湯川に、
Aは叱咤の言葉に続けて、謝罪の言葉を零した。
「…え、あ…すみません。全っ然、大丈夫です!」
急に元気になったようにわざとらしく笑う湯川の目の前には、
大きなディスプレイ。
ようやく北川の修正依頼に合致するデザインが、
完成しそうなのだ。
『それと、これ。』
「え…」
『明後日、バレンタインでしょ。
手伝ってくれてありがとう。』
Aに小さな包みを手渡され、
驚いた様子を見せる湯川。
「…ありがとうございます」
今日は金曜日だ。
今年のバレンタインは日曜日。
少し早いチョコレートのプレゼント、だ。
“手伝ってくれてありがとう”という言葉には、
あからさまな義理の意味が含まれているそれを嬉しそうに受け取る湯川に、
Aはさらりと笑みを零した。
『じゃあ、朝お願いしたファイル、
メールしたところ修正お願いね。あ、石田くん――』
そして、作業の確認をすると、
今度は湯川とともに、デザインの製作を手伝ってくれた石田のデスクへ向かうA。
同じように、小さな包むを手渡すその姿を見て、
湯川は一瞬苦笑いを浮かべると、
再びPCへと向かい合い、作業を進めていったのだった。
58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2019年12月5日 19時