友との夜_2 ページ12
萩 「…で?」
景 「え?」
萩 「春宮と話せたのか?」
景 「…まぁ、な」
弁当に口をつけながら、
景光がポツリと呟く。
萩 「…言ったのか?」
景 「は?」
松 「…おい、萩原。」
萩 「…それとも振られたか?」
伊 「おいおい…」
勘の鋭い萩原のストレートな問いに、
松田と伊達が苦笑しながら、
ビール缶を片手に視線を向けた。
景 「…そんなんじゃねぇよ」
萩 「…はぁ…諸伏は、降谷が大好きだからな」
景 「…な…」
伊 「ハハッ…確かにな」
松 「まぁ…萩原にしちゃマトモなこと言ってんじゃねぇか?」
そして、萩原の言葉に、
戸惑う景光と笑い声を零す2人。
萩 「…春宮のことも、だろ…?」
景 「…それは。
…良いんだよ、もう。」
松 「好きなら、春宮にそう言や良いだろうが…
めんどくせぇことしてる降谷なんかほっとけよ…」
伊 「結構ストレートに言うんだな。松田…」
眉をひそめて、
まるで”とっとと告白して、かっさらえば良いだろ”と言わんばかりの松田に、
伊達が、ニヤリと笑った。
景 「…混乱させたくなかったんだよ。」
萩 「ん?」
俯く景光の顔を覗き込む様に、
萩原が問いかける。
景 「困らせたくなかったんだよ。これ以上…
春宮は、ゼロのことで頭一杯だし…
それに、あんな真剣に勝負挑んだのに、
1本取ってやるって…言ってたのに、手加減されたなんて、
悔しかったはずだろ…」
伊 「諸伏…」
アルコールの影響か、
少しトーンを上げて話し始める景光。
景 「そうじゃねぇって言っても春宮…聞こうとしなかったし…。
…結局、ゼロのことで喧嘩みたいになって。
良いんだよ、俺のことは…。」
松 「へぇ…喧嘩、したのかよ。春宮と。
降谷のことで…か」
萩 「諸伏、お前…」
景 「萩原の言う通りだよ。
俺、ゼロのことも、春宮のことも…、好きだから…な。」
景光は、少し苦しそうに口角を上げた。
景 「あ、そういうことじゃ――」
萩 「諸伏…お前、めちゃくちゃ良いやつだな…」
“好き”と言ったことを、
そういう”好き”じゃないというように否定しようとした景光の言葉を遮り、
萩原が、泣きそうな顔をしながらその肩に腕を回した。
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white12(プロフ) - ra -ra さん» コメントありがとうございます。SNOW DROPは,拙いながらも私自身けっこうお気に入りでして,警察学校組好きが溢れた作品でした。お楽しみ頂けていたなら本当に嬉しく思います。 (2021年5月26日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - やばい。何度読んでも面白い! (2021年5月18日 16時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 燎彩さん» とても嬉しいコメントありがとうございます!最高と言っていただけて本当に嬉しいです。長くはなりますが、続編 (II)も更新中ですので、もし宜しければお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月23日 13時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
燎彩(プロフ) - 完結お疲れ様でした!語彙力皆無なので一言だけ…最高です!! (2020年1月22日 11時) (レス) id: c873624ead (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - さちさん» 本作をお読み頂きありがとうございました。面白かったと感じていただけてとても嬉しいです。もしよければ続編もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年9月1日 9時